
オーストリア1部ザルツブルクへ完全移籍するセレッソ大阪FW北野颯太(20)が、6月14日開幕のクラブW杯(米国)で新天地デビューする可能性が高いことが29日、分かった。
6月1日清水戦(ヨドコウ)を最後に、北野がC大阪から離脱することは一両日中に正式発表される。同2日にも欧州へ向かい、現地でザルツブルクと正式契約を結ぶ。
関係者によると、北野はクラブW杯に出場するザルツブルクの米国遠征メンバーに入っており、今回の移籍交渉の過程において、1次リーグ最終戦となる6月26日のレアル・マドリード戦でのデビューも示唆されていたという。
クラブW杯の1次リーグ第1戦が6月18日に、かつてMF本田圭佑が所属したパチューカ(メキシコ)戦、第2戦が同22日のアルヒラル(サウジアラビア)戦になる。6月上旬にザルツブルクに合流する北野の体調面を考えれば、時間的な状況からも、Rマドリード戦でのデビューが浮上しているようだ。
世界屈指のビッグクラブ、Rマドリードは今季無冠に終わったものの、シャビ・アロンソ新監督(43)の初陣の大会。世界的にも注目度が高い試合になる。
C大阪から若くして欧州に飛び立ったのは、15年2月に当時20歳のMF南野拓実(30=モナコ)がザルツブルクへ。10年7月には当時21歳のMF香川真司(36)がドルトムントへ。その後、2人ともリバプールやマンチェスターUなどビッグクラブへ移籍している。
クラブW杯という大舞台でいきなりチャンスが巡ってくる北野は、プレー次第でさらなる可能性を手に入れることになる。
◆ザルツブルクのクラブW杯日程 全32チームが4チームずつ8組に分かれる1次リーグ。ザルツブルクはH組に入り、18日(日本時間19日)にパチューカ、22日(同23日)にアルヒラル、26日(同27日)にRマドリードと対戦する。各組2位までがベスト16による決勝トーナメントに進む。ザルツブルクが勝ち上がれば、G組のマンチェスターC、カサブランカ、アルアイン、ユベントスのいずれかと対戦する。日本から出場する浦和はE組。決勝は7月13日で、1カ月に及ぶ長期間の大会となる。
◆北野颯太(きたの・そうた)2004年(平16)年8月13日、和歌山・有田市生まれ。小4からC大阪U-12のエリートクラスに入り、U-15、U-18に昇格。高校1年の20年10月25日に、J3G大阪戦でクラブ史上最年少16歳2カ月12日で公式戦出場。高校3年進級前の22年2月に前倒しでプロ契約を結ぶ。準優勝した同年ルヴァン杯では高校生で史上初のニューヒーロー賞獲得。23年5月のU-20W杯では日本代表として松木玖生、高橋仁胡らと1次リーグ全3試合に出場。同年6月の神戸戦でJ1初得点をマーク。J1通算67試合8得点。背番号38。172センチ、60キロ。