
元阪神、ロッテの鳥谷敬氏(日刊スポーツ評論家)が27日、大阪市内の大阪府庁本館で会見し、自身が理事長を務めるNPO法人「Kizuna」の設立を発表した。アスリートのセカンドキャリア支援と中学校部活問題などを結びつけ、スポーツを通じた青少年の健全育成、地域連携・交流イベントといった活動に尽力していく。
鳥谷氏は21年限りで現役引退後、野球はもちろん、パリ五輪取材を通じて他競技の現状を把握。「他競技のアスリートにも話を聞かせてもらう中、アスリートは本当に多くの人に支えてもらっているのだと気付いた。今度は支える側として何かできないかという思いがありました」。
昨秋からNPO法人立ち上げを模索。今年1月から介護施設や保育園、市役所、障害者就労支援の場などに足を運んでヒアリングを続け、「あらためて引退したアスリートの価値に気付く機会があった」。役所では少子化や教員の働き方改革によって部活動を地域に移行していく「中学校部活問題」も話題に上った。
「運動する環境が少なくなることに危機を感じた。スポーツ離れを防ぐこととセカンドキャリア支援が1つにつながった。行政、地域とタッグを組んでやっていけたら」
今後はまずは関西をベースに「中学校部活問題」や地域交流に関して意見を出し合い、ニーズに合った元アスリートに声をかけていく方向。「最終的には全国に広まっていくのが大きな目標」と力を込めた。