
<西武8-0ロッテ>◇25日◇ZOZOマリン
西武の源田壮亮内野手(32)は果たして、レフトオーバーを狙ったのだろうか-。
試合を決める一打が、左翼へ伸びたのは、2点リードの7回2死満塁だ。
「1点でも追加点を取りたいと思い、打席に入りました」
カウント3-2。「無理に引っ張りに行くカウントでもないですし、ボール球は絶対に振らないように反対方向に入って行きました」と振り返る。
低め直球を流し気味にたたくと、ほんの少しだけ左翼線寄りに寄っていた左翼手の頭上をぐんぐん越え、2バウンドでフェンスに当たった。走者一掃。源田は二塁上で右腕を突き下ろした。
これ以上ない打球だった。試合開始時、ZOZOマリンは左翼から2メートル前後の風が吹いていた。
それが試合が進むにつれどんどん強くなる。7回には左翼から10メートルの風。
源田はこの日でZOZOマリンでの公式戦出場が95試合目になる。だから知っている。
「(打球が)伸びましたね。あの高さは伸びる」
左翼からの海風は、高すぎる打球を失速させる。一方でネット裏で強風が跳ね返り、左翼への中弾道は伸びることが多い。
それを狙ったのだろうか-。源田は「(カウント)3-2からあんなの狙えないっすよ。狙って打てたら最高です」と笑って否定した。一方で「反対方向に入って行きました」と意識はしっかり持っていた。
9回に第5打席が回ってきた。ここでも強めの風が吹いていた。右翼方向へ大きく飛ばしたが、それは流れてライトフライに。
「最後のは、もっと低く打ち出せたらもしかしたら、って感じでしたね」
遊撃手として今季まだ失策なし。「(ケガで)出場数、そんなにいってないので」と謙遜するものの、さすが名選手、いろいろなことを考えながら成功確率を高めている。【金子真仁】