
ソフトバンクの杉山一樹投手(27)が小久保イズムでシーズン防御率0点台を誓った。今季はここまで両リーグ最多20試合に登板。防御率1・37を誇り、勝ちパターンの一角としてフル回転している。25年テーマには小久保裕紀監督(53)の著書のタイトル「一瞬に生きる」を掲げていることを明かした。20日から首位を走る日本ハムとの敵地3連戦に臨む。チームはこの日、空路で北海道入りした。
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杉山が25年のテーマに、小久保イズムを掲げていることを明かした。
「小久保さんもよく言うじゃないですか。『一瞬に生きる』。まさしくそれで。今年、今日。来年とかは考えていないですね」
「一瞬に生きる」は指揮官の自叙伝のタイトルでもある。意味は目の前の瞬間に後悔なく、集中して全力を注げるか-。右腕はこの言葉を胸に、ある目標を見据える。「防御率は0点台。登板数は投げられるだけ、何試合でも投げたい」。昨季はキャリアハイの計50試合に登板。4勝0敗、14ホールド、防御率1・61をマークした。好成績にも、納得はしていない。さらにその上をいくつもりだ。
今季はここまで「勝利の方程式」としてフル回転を続ける。連投はすでに計4度を数え、3連投は1度。両リーグ最多20試合に登板も、まだまだ物足りない。「(小久保)監督と、倉野(1軍投手コーチ)さんに『何連投でもいけます』と言っています。いけるので、自分は本気です」。その心意気、姿勢が頼もしい。
193センチの長身から角度のある最速160キロを投げ込む。決め球フォークには落差があり、空振りを奪うこともできる。現在8試合連続で無失点と安定し、計19回2/3を投げ防御率1・37。27三振を奪い、奪三振率は12・36だ。それでも、理想が高いだけに「あまりいい感じはしない。打たれてますし、四球も出しますし」。対右打者には被打率1割9分5厘も、対左打者には同2割9分4厘。改善へ「勝負をする以前に球種の選択ミス。そこを捕手と話して、いい方向に選択していければ」と話した。
現状でオールスターゲーム(7月23日=京セラドーム大阪、24日=横浜)に初めて選出される可能性も高い。だが「出られたら頑張ります」とし、「シーズンに自分は懸けている」と言った。目の前の1登板に全力で腕を振っていくことにこだわっていく。【佐藤究】