
先発投手陣も“バント100%”の準備を整える。6月3日開幕のセ・パ交流戦に向け、日本ハム先発投手陣が20日から、本格的な打撃練習を始める。新庄剛志監督(53)の意向で、15日から前もってバント練習を開始。投手が打席に立つ敵地での試合を見据え、可能な限り犠打の練習に時間を割き、野手と連動した攻撃につなげる。
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アキラ100%に「ヒヤヒヤしたんじゃなーい!?」と言われないよう、先発投手陣も“バント100%”の仕上がりを目指す。エース伊藤は交流戦へ「バントを決めたいっすね。去年は決まらなくて。僕ら(投手陣)が一発で決めることによって(打線の)流れがつながる」と思い描いた。
15日から先発投手陣がバント練習を開始。打席に入れば中学以来となる古林睿煬(グーリン・ルェヤン)は、恐る恐る打撃マシンに対峙(たいじ)。最初はボールをバットに当てることすらできなかったが、徐々にコツをつかみコーチ陣から「いいねぇ」と賛辞を贈られていた。実戦で成功させるにはまだまだだが、3週間練習すれば、上達する可能性は十分にある。
チームが遠征中の16日以降も、北海道に残った居残りの先発投手陣が、グラウンドでの投球練習後、ベンチ裏の打撃練習スペースでバント練習をするなど、可能な限り時間を割いている。伊藤は「バントは試みたことはありますけど、決めたことはない。でもピッチャーが決めたら盛り上がる」。通常の打撃よりも恐怖心がつきまとうものだが、決めれば得点チャンスはふくらみ、相手にプレッシャーをかけることができる。
投手に打席が回る敵地での交流戦は、戦術的にもパ・リーグと異なる。昨季は交流戦前に貯金7まで積み上げたが、交流戦で7勝10敗と負け越し、その後も失速し、借金3まで落ち込んだ。新庄監督は「交流戦は分からないから、それまでに差を広げておきたい」と話している。
現在2位西武と1・5差。じわじわ浮上中の4位ソフトバンクまで3・5差と詰まっている。交流戦スタートまで、4カード11戦。この間にゲーム差を広げつつ、投手陣のバント精度も上げ、首位固めへの準備を整える。【永野高輔】