
セレッソ大阪の元日本代表MF香川真司(36)が、アーサー・パパス監督(45)の指揮の下、チームが新たに進化している現状に手応えを感じている。
8日、大阪市内で約1カ月ぶりに公開練習が実施され、36歳の大ベテランにも笑顔が戻ってきた。
「勝つために、全て理想を捨ててやる時も必要。戦い方のいろんなオプションを持てるのは重要なこと。攻守において、いろんなオプションを持って結果に結びつけられた。2試合連続、結果に結びつけたのは大きい」
一時は降格圏に後退したチームは前々節京都、前節神戸戦でいずれも逆転勝ちを収めた。従来の4バックから3バックに変更し、ロングボールやカウンターまで駆使し、パスをつなぐだけではない、多様な戦い方を披露。ようやく12位まで浮上してきた。
特に京都戦では、新人FW古山(ふるやま)兼悟(22)がプロ初ゴール。神戸戦ではMF上門知樹(28)とMF柴山昌也(22)が今季初ゴールと、これまでチャンスを得られない、得られても結果を残せなかった若手や中堅が発奮した。
「みんなが、シバ(柴山)が結果を残すことを望んでいたし、ジョー(上門)もそう、兼悟もそう。苦しみながらなかなか出場機会が少なく、日頃悔しい思いをしたやつが結果で示してほしいし、それは僕も体現してきたこと。キャリアを通して苦しむのは誰でもあること。それがチームの底上げととなって、結束力も高まる」
開幕から5試合で4発を決めたFW北野颯太(20)を含めて、「この勢いで、若いやつはぐっと上がってほしいし、それだけのポテンシャルと可能性がある。満足してほしくない。ここからさらに代表や欧州だったり、もっと上を目指してほしい。そのメンタリティーが、チームにもたらすものは非常に大きい」。香川がここまで熱弁をふるうのは珍しい。
主将のMF田中駿汰(27)が故障離脱したが、パパス監督から香川に対する信頼は開幕当初から厚く、先発と途中出場を織り交ぜながら、ベストパフォーマンスへと導かれている。ここまで11試合1得点だが、数字以上の貢献度がある。本人も近年になかった充実感があるはずだ。
次節11日はホームで最下位の横浜戦が待つ。ホームでは11年6月の黒星を最後に、11試合連続で負けていない(=7勝4分け)。そんな相性のいい横浜に、C大阪がどんな試合内容で、香川がどんなプレーで、昨年3月以来の3連勝を達成できるか。今後を占う重要な試合になる。