
アルビレックス新潟がオフ明けの7日、11日のホーム浦和レッズ戦に向けて練習を再開させた。4月9日のルヴァン杯2回戦を最後に公式戦出場から遠ざかる副主将のMF宮本英治(26)は、8対8のパス回しやミニゲームで光るプレーを連発。走攻守3拍子に「イケメン」も兼ね備えるボランチが定位置を奪還し、今季本拠地初白星をサポーターに届ける。
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スマイルアゲイン! 今季副主将を務める宮本は開幕の横浜F・マリノス戦に主将マークを巻いてフル出場も、4月2日アビスパ福岡戦の途中投入を最後にリーグ戦出場は5試合にとどまっている。公式戦からは同月9日のJ3松本山雅FCとのルヴァン杯2回戦を最後に約1カ月、遠ざかるが「(起用されない)理由は自分にある。今できることをやるしかない」。この日の練習でも常にボールに絡み、攻守に欠かせない選手であることをアピールした。
チャンスをつかみ取る。樹森大介新監督(47)は新潟が20年から積み上げる長短のパスで前進する独自スタイルを継承しつつ、より縦に速く相手ゴールに到達する速攻に着手する。ボランチの先発2枠は、パサーの秋山裕紀(24)、レフティーの新井泰貴(27)、運動量の星雄次(32)と、3人がベースとして出場しているが、宮本の機動力は新戦術にフィットするはずだ。「みんなに特長があるけど、自分にしかない良さもあると思う。出番が来たら貢献できる」。現状、指揮官のファーストチョイスにはなれていないが、自信は砕け散っていない。
まさに「華」があるボランチだ。加入1年目で定位置をつかんだ昨季はシーズン序盤の左眼窩(がんか)底骨折による離脱がありながらも公式戦29試合出場で1得点をマーク。8月7日磐田戦で決めた反転ボレーは、同月度のJリーグ月間ベストゴールに選出された。縦横無尽に動き回る走力、攻撃センス、激しい守備といった走攻守3拍子そろった能力の高さに加え、端正な顔立ちも兼ね備える26歳。「とにかく結果が欲しい」と負けん気も強い。
国士舘大卒業後、21年にプロ生活をスタートさせたいわきFCとともにJFLからJ3、J2と昇格し、昨季、新潟にステップアップ移籍。自らの力でJ1舞台にはい上がって来た。試合に絡めない苦しい時期を過ごすが「腐らず前向きに」。再びピッチで輝き、浦和戦からサポーターに笑顔を届ける。【小林忠】
○…チームトップタイの4得点を挙げるFW矢村健(27)の状態が上向いてきた。4月19日京都サンガ戦を最後に左足負傷で戦列を離れているが、この日のミニゲームでは体を大きくひねりながら積極的に足を振った。完全復帰については「プレーしながら少しずつ」と慎重な姿勢を示したが、今節メンバー入りも視野に準備を進める。