
<明治安田J1:神戸1-3C大阪>◇6日◇第15節◇ノエスタ
ヴィッセル神戸MF斉藤未月(26)が、大けがを負った23年8月19日の柏レイソル戦以来、約1年9カ月ぶりにリーグ戦での先発出場を果たした。
アンカーの位置でピッチに立つと、持ち前の予測力と球際の強さで相手カウンターの芽をつむなど斉藤らしい動き。前半13分と後半37分には積極的にシュートも放つなど存在感を見せ、試合終了まで出場し続けた。
試合はC大阪に逆転負け。そんな試合後の話しぶりも、斉藤らしかった。「監督がチャンスをくれた中で勝てなかったので、それに尽きる。プレーがいいとか悪いとか関係ない。悪くても勝てれば最高だったけど、負けた。試合に出場したっていうこと以外の前進はあまりないかな」。常にチームの勝利を追求する男は、敗れたことへの悔しさをにじませるばかりだった。
昨季の柏戦でタックルを受け、左ひざの関節脱臼、複合靱帯(じんたい)損傷、内外側半月板損傷と複数箇所を損傷。23年8月と同11月に手術を受け、昨季終盤に全体練習に合流。1月の沖縄キャンプでの練習試合で対外試合に復帰し、2月の富士フイルムスーパー杯やアジア・チャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)では先発起用もあったが、リーグ戦での先発は復帰後初となった。試合に負けたことで多くを語らなかったが「緊張感やプレーの質、選択の部分では全然違った」と、久々の感覚を味わえたことは前向きに捉えている様子だった。
今後はいかにトップフォームに戻していくかのチャレンジになる。現在の状態については「今日は取るべくして取れているシーンが多かっただけであって、取れない可能性があるところで奪い切るようなシーンはまだまだ少ない。体のフィットも含めてまだまだだと思っている」と分析。最高のパフォーマンスでチームに貢献して3連覇を迎えるため、少しずつでも着実に状態を上げていくつもりだ。【永田淳】