
<広島2-0中日>◇3日◇マツダスタジアム
広島床田寛樹投手(30)が記録的な快投でチーム8連敗を阻止した。中日打線を3安打に抑え、今季2度目の完封。13年西武牧田、広島では82年山根以来43年ぶりとなる奪三振ゼロの無失点勝利を飾り、ナインを苦境から救い出した。
球数89で迎えた9回。2死から代打・細川を歩かせ、無四球完封は逃した。それでもレアな記録がついてきた。奪三振ゼロの完封勝利。「(過去に)ないですね。アマチュアの時は、完封の時はだいたい10何個は取っていたので。途中から『やべー、取ってないな』とは思ってました。でも変に三振を取りにいく方が崩れると思っていたので」。試合後は照れ笑いした。
負ければ4年ぶりの8連敗となっていた一戦。打力でも貢献した。3回無死一塁、ベンチは8番矢野に犠打を指示。次打者は9番床田だった。「9人目の野手だと思っているので」という新井監督の信頼に応え、二塁ゴロで二塁走者を三塁に進めた。先制点につながる進塁打となった。
投げては二塁も踏ませなかった。唯一先頭打者を出した7回は1死一塁、昨季2本塁打を浴びたカリステを遊ゴロ併殺に仕留めた。セットアッパーのハーンを欠いた試合を1人で乗り切り3勝目。指揮官から「床田さまさま」とねぎらわれても、本人は仲間への感謝を忘れなかった。「(連敗は)止めないといけないと思っていました。初回先頭の(岡林の打球を好捕した)堂林さんのプレーでスッと試合に入れました」。チーム一丸となっての連敗脱出劇だった。【堀まどか】
▼床田が奪三振ゼロで完封勝利。奪三振ゼロの完封勝ちは13年4月23日ロッテ戦の牧田(西武)以来で、セ・リーグでは89年9月4日巨人戦の矢野(ヤクルト)以来36年ぶり。広島では59年5月5日国鉄戦の備前、61年5月6日中日戦の弘瀬、80年5月25日大洋戦の北別府、82年6月16日中日戦の山根に次いで43年ぶり5人目。