
1月19日にバレンシアのホームスタジアムで行われたレアル・ソシエダード戦で久保建英(23)などに対するサポーターの侮辱的、人種差別的行為に対し、スポーツにおける暴力、人種差別、外国人排斥および不寛容に反対する国家委員会の常設委員会が制裁を科すことを決定したと、スペイン紙ムンド・デポルティボ電子版が3日に報じた。
その試合でベンチスタートだった久保は、途中出場する前にピッチ脇でウォーミングアップしていた際、スタンドにいた複数人のバレンシアサポーターから「チノ(中国人)目を開けろ」などの人種差別的な言葉を受けた。
同様にバレネチェアやオヤルサバルもアップ中に「ETAのメンバー、クソ野郎」などの罵声を浴びせられていた(※ETAとは「バスク祖国と自由」という組織。バスク地方の分離独立を目指し、テロ活動を行ってきた過激派で、18年に解散を発表している)。
Rソシエダードは試合後すぐにスペインリーグへ訴えを起こし、「バレンシアのファン数人が選手に行った人種差別的侮辱を強く非難する」などの内容の公式声明を発表。バレンシアも犯人が特定され次第、スタジアムへの入場禁止などの厳しい処分を下すことを伝えた。
その後に調査が開始されると、それらの発言が監視カメラで記録され、スタンドにいた複数の目撃者から報告があったことが犯人の特定につながったという。そして同委員会はバレンシアサポーター2人に対してそれぞれ、4000ユーロ(約64万円)の罰金および、12カ月間のスポーツ施設への入場禁止の制裁を科すことを決定したと同紙は伝えている。(高橋智行通信員)