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藤川監督から春季キャンプの投手MVPに指名された門別啓人投手(20)が、“大物開幕投手”として気合十分だ。2月28日、兵庫・尼崎市で1日から開業する2軍新施設「ゼロカーボンベースボールパーク」で、キャッチボールや投内連係などで調整した。メイン球場「日鉄鋼板 SGLスタジアム 尼崎」初実戦の1日春季教育リーグ広島戦で先発予定。開幕ローテーション入りを狙う高卒3年目左腕が、まっさらなマウンドに立つ。
「特別なことで、ありがたいが、まだ1軍に定着してるわけじゃないので、ここからスタートできれば」
春季キャンプは開始前に目標としていた通り、2月25日の帰阪まで宜野座キャンプで過ごした。初紅白戦、初対外試合の初戦で先発し、オープン戦にも登板。計7回無失点と期待に応えた。指揮官からMVPに選ばれたものの、表情は引き締まったまま。「去年のキャンプでいいと言われて、シーズンダメだった。本当にここはあまり考えず、しっかりシーズンに向けて、準備できればいい」。秋季キャンプでMVPに選ばれるなどした23年オフを思い返し、油断はしない。
「しっかり準備ができて、アピールにもつながっている。理想に近づいてきている」と手応えも確かだ。昨春の好調時は無意識で行っていた投球時の脱力を、意識的に実施。キャンプでの紅白戦、対外試合に続く今年3度目となる“開幕投手”に「アピールしたい。でも、一番は自分の球をしっかり投げること」と話す。入場券はすでに全席完売。1軍の開幕ローテーションの座をつかむためにも、大勢のファンの前で躍動する。【塚本光】
▽阪神及川(1日の春季教育リーグ広島戦に登板予定)「ストライク先行で、というのは永遠の課題だと思いますし、永遠のテーマでやっていこうと思っているので、それをできたら」