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阪神甲子園球場とフォントメーカー「モリサワ」による開場100周年共同企画の「甲子園フォント」お披露目式が27日、同球場で行われた。
甲子園のスコアボードで1983年(昭58)まで職人が毛筆で手書きした文字として親しまれた「甲子園文字」をデジタルフォントとして新たに制作。約2年かけて「甲子園フォント」を制作した。今シーズンからプロ野球や高校野球での甲子園のスコアボードに使用され、3月4日に行われるオープン戦の中日戦から使用開始となる。
漢字やカタカナ、ひらがななど約3800文字が登録。モリサワの担当者は「手書きの特徴を今回のフォントに反映させた。筆の細かい部分や払いの部分を分析して再現しました」と制作を振り返った。
甲子園球場の担当者も「これまでもデジタル表示できる文字は持っていたが、それは球場職員が1つ1つ手作りで作っていた。100周年の節目にプロの手によってきちんとしたデジタルフォントとして完成していただくことで、これからの100年に伝統が揺らがずに安定的につないでいける」と期待を寄せた。
今年はジョン・デュプランティエ投手(30=ドジャース3A)が加入。長い名前の場合にも、モリサワの担当者は「フォント側でつぶしたものを用意しているというよりは、甲子園球場のほうで入るように調整してもらう形です」と説明。甲子園球場の担当者も「うちの放送係員が頑張ると思います」と新たなフォントでも対応することになりそうだ。