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<スペイン国王杯:Rソシエダード0-1Rマドリード>◇26日(日本時間27日)◇準決勝第1戦◇レアレ・アリーナ
【サンセバスチャン(スペイン)=高橋智行通信員】レアル・ソシエダードの日本代表MF久保建英(23)がフル出場したホームのレアル・マドリード戦で、サポーターから相手選手への暴言や侮辱的チャントがあり、試合が一時中断した。
前半終了間際、スタンドから「アセンシオ、死ね!」という酷いブーイングが飛んだ。RソシエダードがFKを獲得し、久保がプレスキッカーとして準備に入ろうとしたタイミング。主審はすぐに試合を止め、両チームの監督のもとに走り、事情を伝えた。スタジアムの掲示版には人種差別をはじめ侮辱的な発言を禁じるメッセージを流し、スタジアムの雰囲気が落ち着いたところでプレーを再開した。
試合後、イマノル・アルグアシル監督は「アセンシオ、死ね」というチャントについてどう思うか、と問われた。
質問に対し「私はそれを聞いていなかったので、もしそんなことがあったのなら非難する。我々はどのスタジアムであってもそのようなことを聞きたいくない。しかし、我々のサポーターや選手はスペインリーグで最も気高い人たちだ。彼らの振る舞いはいつも通り素晴らしいものだった。もちろんそのようなチャントがあったのであれば非難するが、私は選手たちやサポーターに誇りを感じている」とコメントした。
また、Rマドリードのアンチェロッティ監督もこの件について問われると「レフェリーの対応は良かったと思う。ビニシウスがレフェリーと話し、試合を止めてプロトコルを発動させたんだ。いい判断だったと思うし、そうする必要があった」と話した。
アセンシオが途中交代となったことについては「理由は2つある。それは彼がその影響があったこと、そしてイエローカードをもらっていたからだ。だから交代させたんだよ」。さらにハーフタイムのアセンシオの様子も含めて「スタジアムで『死ね』なんて叫ばれることは誰も好きではない。そういう意味で影響を受けていた。感情面が試合に影響する可能性があったため、交代させることにした」と説明した。
スペインではスタジアムでの暴言や人種差別的チャントがなくならず、社会問題となっている。