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昨季届かなかった全国の舞台へ-。七十七銀行(宮城)が悔しさを糧に過去最高の全国4強を超える。今季から選手会長に小林快投手(27=仙台大)、主将に長嶋亮磨外野手(27=神奈川工科大)が就任した。大きな課題である「チーム力」を磨いて、常勝軍団を築く。さらに、ルーキーもチームに合流。沖政宗投手(立教大)、篠塚太稀投手(仙台大)、後藤佑輔投手(東北工大)、石井寛人内野手(東北福祉大=いずれも22)ら新戦力4選手も加えて挑む。【取材・構成=木村有優】
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「野球を続けたい」。後藤はそう思いながらも4年夏までは続ける道がなく、気持ちを押し殺しながら一般就職を考えていた。それでも、4年秋リーグの途中で七十七銀行から声がかかった。迷いはなかった。「『まさか続けられるなんて…』という気持ちでした。声をかけていただいて本当に感謝しています」と瞳を輝かせながら口にした。
ここからが勝負だ。最速146キロ左腕は「150キロ投手になって、都市対抗に出場したい」と意気込む。東北工大では全国大会出場はかなわなかった。行く手を阻んだ仙台大と東北福祉大からも同チームに入部。かつての敵は今では頼もしいチームメートだ。「仲間になって戦えるのは本当に感慨深いです。七十七銀行なら絶対に全国にいけると思うので、あとは優勝する戦力になりたいです」と気合は十分だ。
◆七十七銀行野球部 1981年(昭56)創部。運営母体は宮城県仙台市に本店を置く地方銀行。出身プロ野球選手は小林敦(元ロッテ)、相原和友(元楽天)。01年に日本選手権大会、03年に都市対抗野球大会に初出場(いずれも初戦敗退)。出場回数は都市対抗野球大会14度、日本選手権大会9度。最高成績は04年都市対抗野球大会ベスト4。杉森智幸監督。