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ドキドキのルーキーが“兄貴”のアシストでプロ初キャンプを完走した。24日に打ち上げた沖縄・宜野湾キャンプ中、DeNAのドラフト1位竹田祐投手(25)と明大時代の2学年先輩・伊勢大夢投手(26)が“明大対談”。社会人を経てプロ入りしたオールドルーキーはプロ野球界の先輩でもある伊勢から伝授された愛情あふれるアドバイスを胸に、24日の阪神との練習試合で1回無失点デビュー。明大の先輩とともに、2年連続日本一への先発ローテ入りを目指す。【取材・構成=小早川宗一郎】
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明大時代の先輩でもある伊勢が、竹田をリードするように話し始めた。
伊勢 大学時代、一緒に日本一を経験した中で(DeNA)入江がいたり(広島)森下がいたり。みんなセ・リーグだし、何かの縁だろうなと。
竹田 伊勢さんはドラフト前にも連絡をくださって、DeNAは入江さんも伊勢さんもいる。行けたらいいなと思っていたら本当にそうなって、やりやすい環境でできているのがすごくうれしいです。
伊勢 大学時代から上下関係もあまりなかったですね。友達みたいな感じ。
竹田 伊勢さんは2つ上の偉大な先輩。自分も大学が終わってプロに行きたかったんですけど…。ずっとテレビで見させていただいて、勇気というか、プロに行くぞという気持ちにさせてもらってました。
入江は2人のちょうど間の年齢。鹿児島・奄美キャンプ参加中だった。
伊勢 入江は1つのことに集中する力は誰よりも持ってるからそこはすごい。とんでもないピッチャーになりかねない存在。おらんから褒めとくか(笑い)。
竹田 入江さんは師匠で尊敬しています。誰よりも練習していましたし、それを自分にも見せてくれた。プライベートも野球も一緒に過ごして、この人について行こうって決めた人です。一緒にアホなことしたりしてました。
竹田から見た伊勢とは。
竹田 いろんな人に伊勢さんって怖い? って言われるんですけど、全然怖くなくて。かまちょ(かまってほしがる人)です。
伊勢 かまちょって何やねん。先輩やで(笑い)。
竹田 こんな感じです。とりあえず優しいです。
竹田は2度のドラフト指名漏れの末、ようやくプロ入りを果たした。
伊勢 去年がラストチャンスかと思ったら1位で指名されてて、なんだそれ! と思ったけど(笑い)。逆にそこで評価してもらえるって相当難しい。社会人3年目に相当頑張ったんだろうし尊敬していますね。
竹田 これで無理やったらプロはあきらめようと思ってましたね。
そんな2人が先発を争う。
伊勢 去年リリーバーとして勝ちパターンになるまですごく我慢して、あの人さえいなければ…とか思ったこともあったけどそれってすごく大事。その人がいなくなった時、次に入れる人間になっておかないと絶対チャンスは来ない。いつか来る一瞬のチャンスをつかむしかない。
竹田 僕も伊勢さんと入江さんの背中を見て野球をしてきたので、とにかく一生懸命野球したいです。
伊勢 なんやそのアマチュアなコメント(笑い)。
明大時代、ともに大学日本一に輝いた。次に目指すのはプロの舞台でのリーグ優勝と日本一しかない。
伊勢 竹田が来たタイミングで去年日本一になって、Aクラスが当たり前のチームになった。僕も自分のポジションを捨ててまで先発をやると決めた。覚悟持ってやらないと、周りにのみ込まれるチームになってるから。入江も含めて何年も一緒にやれれば。僕より先にプロ野球選手を辞められたら困る、って思いが強いですよね。
竹田 一生懸命やることはもちろん、3人でリーグ優勝のメンバーに入れるようにやっていきたいです。
伊勢 ちょっとしゃべりは磨かないとな(笑い)。
竹田 伊勢さん、しゃべりすぎ(笑い)!