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日本ハムの2軍キャンプが25日、沖縄・国頭村で最終日を迎え、フレッシュな新人選手たちも初キャンプを完走した。既に打者として1軍での実戦デビューしたドラフト1位の柴田獅子投手(18=福岡大大濠)は、稲葉篤紀2軍監督(52)が4月中旬~下旬での投手デビューを明言。同育成2位で道産子の渋谷純希投手(18=帯広農)は、南国の島で“見えない敵”と戦いながら、持ち前のスタミナでキャンプを乗り切った。
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北海道・帯広出身の渋谷が、冷え込む沖縄で“熱く”キャンプを完走した。今年の沖縄は例年になく強い冷え込み。それでも渋谷の体感温度は高く、2~3人が同部屋の宿舎で冷房のスイッチをオン。当然、生活を共にした2年目加藤大と同期の川勝から寒さを訴えられた。道産子左腕は「最初は汗だくになりながら寝てました」と頭をかいた。
グラウンド外での思わぬ消耗も何のその。午後9時前には眠りにつき、午前5時に起床。入浴してから朝食を食べる模範的な「早寝早起き」を続けた。「浦幌牛乳」を毎日1リットル飲んで作り上げた肉体に「疲れは特にないです」と涼しい表情。初のキャンプを完走し「サポートしてくれた方がたくさんいて、本当にやりやすい環境だった」と周囲への感謝を口にした。
画面の向こうにいた先輩たちと、憧れのユニホームを着た。「玉井選手、福田俊選手が話しかけてくださって、皆さんフレンドリーな先輩たちでした」と胸を熱くする日々だった。プロ1年目は体重88キロの分厚い体をプロ仕様にすることが目標。北の大地で育った渋谷が「できることを自分なりに考えてやっていく1年にしたい」と南国で誓いを立てた。【黒須亮】
◆渋谷純希(しぶや・じゅんき)2006年11月25日、帯広市生まれ。帯広豊成小3年時に豊成ファイターズで野球を始める。帯広南町中では軟式野球部。帯広農では1年春からベンチ入りも同年秋に左足首を骨折。2年夏の大会後に左肘尺骨神経まひの手術を受ける。その後、2年秋から本格的な投球練習を始め、3年時に最速147キロまで伸ばし、24年育成ドラフト2位で日本ハム入り。今季推定年俸は260万円。182センチ、87キロ。左投げ左打ち。家族は両親と兄、妹。