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西武2、3軍の高知・春野キャンプが25日、終了した。無名の逸材が球団内で話題になっている。
ドラフト5位の篠原響投手(18=福井工大福井)だ。
ブルペンで受けた是沢を「ドラ1級です」と驚かせた右腕が、フロントや首脳陣に強烈アピールしたのが、13日に行った打撃投手だ。最速は144キロながら、22年ドラフト1位の蛭間を直球で押し込み4球連続ファウルに。「えぐい。刺されました」と驚かせた。スライダーやチェンジアップもしっかり制球。篠原は「左打者の外角は苦手なところです」と言いながら、左打者3人をその外角中心の攻めで圧倒。60球超を投げ、安打性はわずか3本だった。
球審後ろの位置で見守った小関ファーム監督も目を丸くし、回想する。「昔(松坂)大輔がプロに入ってきた時、ちょうど最初のフリー打撃で打席に立ったんだよ。雰囲気が似てる。投げ方もリズムも」。
土肥ファーム投手総合コーチも「投内連係をやらせても(ファームで)一番うまいかも。ザ・ピッチャーのボール。再現性も高い。ドラフト上位なら分かるけど、予想に反してすごい」と期待を高める。将来の夢は最優秀防御率のタイトルで、スカウト陣は同じくドラフト下位から成り上がったドジャース山本に未来を重ねる。広池球団本部長も「持ち上げすぎないでくださいね」と笑いつつ「あの順位で取れて本当に良かった。確かに現状では二重丸です」と喜ぶ。24日の練習試合では、球場表示ながら153キロを投げ込んだという。【金子真仁】