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<U-20アジア杯:日本1(4PK3)1イラン>◇23日◇準々決勝◇中国・深セン
2028年ロサンゼルス五輪(オリンピック)を目指す世代のU-20日本代表が、死闘を制して4大会連続のU-20ワールドカップ(W杯)出場を決めた。
同イラン代表とU-20アジアカップ中国大会の準々決勝で対戦。ベスト4入りしたチームに世界大会の出場権が与えられる中、中東の雄を延長、PK戦の末に振り切って切符をつかんだ。
1次リーグ3試合を1勝2分けと苦戦した日本は、D組2位で決勝トーナメントへ。C組を3戦全勝で首位突破したイランとぶつかった。
◆日本の先発イレブン(4-4-2)
【GK】荒木琉偉(ガンバ大阪)
【DF】梅木怜(FC今治)市原吏音(RB大宮アルディージャ=主将)喜多壱也(京都サンガ)高橋仁胡(セレッソ大阪)
【MF】佐藤龍之介(ファジアーノ岡山)大関友翔(川崎フロンターレ)小倉幸成(法政大)石井久継(湘南ベルマーレ)
【FW】神田奏真(川崎フロンターレ)井上愛簾(サンフレッチェ広島)
勝てばW杯、負ければ世界への道が断たれる大一番は開始5分、いきなり先制された。相手シュートのこぼれ球を押し込まれる。その際、最初に打った選手がオフサイドに見えたが、この試合はビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が採用されておらず、先手を許した。
追う日本は前半のうちに追いつく。30分、中盤の底から攻め上がった小倉が30メートル超の右足ミドルを突き刺した。疑惑の判定に、正真正銘のゴラッソで返し、スコアを振り出しに戻した。
その後は日本が主導権を握り、惜しいシュートを連発。船越優蔵監督は、後半にFW高岡伶颯(宮崎・日章学園高→イングランド・プレミアリーグのサウサンプトン内定)やMF中島洋太朗(サンフレッチェ広島)を投入。FW道脇豊(ベルギー1部ベフェレン)もピッチへ送り込んだが、相手GKの神セーブに阻まれ続け、延長戦に突入した。
勝負はPK戦へ。先攻のイランがクロスバー直撃、右の枠外と2本連続で外した中、日本は中島、高岡が成功する。高橋は止められたものの佐藤、そして最終5人目で主将の市原が決め手、U-20W杯(9月、チリ)の出場権を手にした。
市原「いや、マジでうれしいっす。今まで味わったことのないようなプレッシャー、アウェー感もありましたけど、チーム全員で1つになって、しっかり120分を戦って…。最後は運が、日ごろやってたものがこっちに流れてきてくれたのかなと思います」
「先制されちゃって、自分のクリアミスのところから始まっていて、取り返したい気持ちはありましたけど、後ろはもうこれ以上、失点しないってのは話していましたし。前線の選手も点を取ってくれて、たくさんチャンスがあった中で1点って悔しいと思うんですけど、でも、これが僕たちですし、仲間を信じて、チームを信じて…1つになれた結果がこういう結果になったと思うので、これは本当に自信につながるというか、うれしい限りです」
「遠くまで応援に来てくださった日本人、テレビ画面越しの友達や家族、チームメートも見てくれていたと思うんで。恥じないプレー、後悔しないプレーを。自信を持って全員がやれれば必ず優勝できると思うんで、信じて待っててほしいなと思います」