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日本ハム梅林優貴捕手(26)が、「ベッツ打法」で対外試合初打席初安打を放った。20日、阪神との練習試合(名護)に途中出場し、7回の第1打席に中前打を放った。育成左腕・伊藤稜が投じた内角直球を大リーガーさながらの「縦振り」で外野に運んだ。オフには縁あってドジャースのムーキー・ベッツ外野手(32)と自主トレ。いまでも連絡を取り合う仲で、成果の一端を示した。
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試行錯誤していた梅林に光が差し込んだ。内角直球に力負けせず放った対外試合初安打。自主トレをともにしたベッツからアドバイスを受けた新打法で、中前にはじき返した。「とにかく自分のポイントで、差し込まれないことだけ。その打ち方にして始めて出たヒットだったので、すごくうれしかったです」と喜んだ。
今キャンプではベッツ直伝の打撃に挑戦してきたが、感覚のズレに悩み4度も断念。そのたび、連絡先を知るスーパースターへ相談することも頭をよぎったが、ドジャースもキャンプインしており、自重していた。しかし18日、ベッツの方から関係者を通じて連絡があった。「梅林から連絡がないことを心配している」。すぐにカナダ育ちの山口に英訳をお願いしてメッセージを送信。打撃動画も添えると「いい感じに進んでいると思う」と返信があった。
15日の紅白戦でも安打を放っていたが、この一打は悩んでいた時期で、“ベッツ打法”ではなかった。だが本人のお墨付きをもらい、この日は同打法初安打。二遊間を抜けた打球方向も「ベッツはバッティング練習でセカンドゴロしか(打つ)練習をしてないらしくて。センターに打つイメージがあったので、結果的にはすごくよかった」と、手応えは大きかった。
伏見や田宮、郡司らがそろう1軍捕手陣を追う。難易度の高い打撃に何度も挫折しそうになるが「辞めちゃったら成長は止まる。1軍でも2軍でも、同じ気持ちで毎日どうにか成長できたら。すごく成長していると感じる。すごい楽しい」。ようやく表現できた打法をモノにし、捕手争いに割り込む。【黒須亮】