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開幕投手最有力の巨人戸郷翔征投手(24)が新たな武器に手応えを示した。20日、ブルペンに入って新球カットボールを交えながら50球。「1球強い、質のいいカットがあった。それを定期的に投げられればいいし、意識したい」とうなずいた。
かねて「現状維持は退化」と言う右腕は、さらなる進化を求める。丸が広島大瀬良から教わったものを、丸から聞いた“また聞き”カットボールの習得に励む。「打者も強いカットの方が嫌なのかな」と、理想は直球とほぼ同じ球速で、ボールを2、3センチ動かして打者の芯を外すこと。先発予定の22日DeNA戦(宜野湾)で試投する意向を示した上で「キャッチャーもついてやってくれると思うので、確認したい」。同試合でバッテリーを組む予定の甲斐と意見交換を交わし、精度を高めていく。
開幕投手争いは、まもなく終止符が打たれる。この日のブルペンでは、ライバルの井上、山崎と横並びで投球練習を行った。阿部監督は「ぼちぼち(本人に)言ってあげようかなと思っている」と発言。戸郷は「そこ(開幕投手)に向かっていくことが一番だと思いますし、僕も譲る気もないので。そこに向けて監督にいいアピールができたら」と2年連続の大役に向けて、鼻息を荒くした。【水谷京裕】