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【巨人】田中将大に迫る新米番記者キャンプ日記 “マー君フィーバー”の裏側とは


入社1年目の記者が初のキャンプ取材で、楽天から加入した田中将大投手に注目しています。36歳の日米通算197勝を誇る田中選手は巨人のキャンプで大きな話題となっており、彼の一挙手一投足に報道陣が集まります。新米記者は取材戦場にダイブし、田中選手の初ブルペン投球の日に質問を実現。田中選手は復活を目指して、新たなフォーム改造に取り組む姿勢を示しています。コーチとの密接な関係が成功の鍵となっており、報道陣にも気配りを見せる彼の姿勢が印象的です。日米通算200勝に向けての期待が高まる中、巨人キャンプの様子や田中選手の動向を引き続き追いかけています。

ライブBPを終え巨人岸田(右)と言葉を交わす田中将(2025年2月17日撮影)

<番記者プロデュース>

入社1年目の新人記者が、初のキャンプ取材に臨んでいる。今キャンプの話題の中心は楽天から加入した田中将大投手(36)。日米通算197勝を誇るスーパースターの一挙手一投足にファンも報道陣もひきつけられている。そんな“マー君フィーバー”に沸く中で、取材現場はどのような空気感なのか。新米番記者のキャンプ日記と題して、裏側を記す。【取材・構成=水谷京裕】

   ◇   ◇   ◇

宮崎入り前でつまずいた。1月27日、羽田空港からキャンプ取材が始まった。2月1日のキャンプインに先立って行われる1軍合同自主トレに向かうための選手たちと同便の航空機を予約。人生初の空港での取材はスーツを格好良く着こなす選手たちに圧倒された。肝心の取材は、他紙の先輩記者たちのまねをしてやり過ごすのがやっとだった。

楽天から加入した田中将は今キャンプで注目の的となっている。記者にとっては、日米通算197勝のレジェンドがこのタイミングで巨人に入団したことも何かの巡り合わせなのかもしれない。そんな“マーさん”の一挙手一投足を連日、追いかけている。約5分の取材時間の中で、質問できる数はせいぜい10問程度。多い時には約20人もの報道陣が群がる“戦場”に潜り込むだけで必死だった。

ようやく直接質問できたのは2月6日。“マーさん”が今キャンプで初めて座った捕手相手へのブルペン投球を行った日だった。プレート板から18・44メートル先のホームベースのほぼ真上に座った捕手に向かって投球を開始。徐々に捕手が後ろに下がり、最終的に試合と同じ距離で43球を投げた。なぜ初めから正規の距離で投げなかったのか。率直な疑問をぶつけてみた。

「近いところから最初やって(フォームで)意識する部分を(確認した)。その後の負担のかかり方も違いますから、徐々に徐々にやっていってという感じです」

1度質問すると、気が楽になった。翌日、練習を終えた“マーさん”に再び質問。ブルペン投球から1日たって、余計な張りがないか尋ねた。

「変な張りっていうのはないです。もちろん(昨日)投げているので体が全く張ってないかと言うと、そういうわけじゃないですけど。ただ、嫌な張りとかではないし、ステップアップしていくためには強さっていうのも必要になってくるので、まあそれは全然、今のところいいと思います」

日を増すごとに充実した表情を見せる“マーさん”からは復活の予感が漂う。そこには久保康生巡回投手コーチ(66)の存在も欠かせない。復活に向けてキャンプ初日から二人三脚で体を縦回転に使う“縦振り”を意識したフォーム改造に取り組む。

そんな“マーさん”の師匠にも連日5~6人の報道陣が集結する。日によっては前日とほぼ変わらない質問ばかりになってしまうこともある。それでも、久保コーチは嫌な顔一つ見せずに丁寧に回答してくださる。タイミングを見計らってあいさつに伺った際も「よろしくね。社会人1年目か! 頑張れよ~」。名コーチと言われる理由が分かったような気がした。

長丁場のキャンプ取材もついに最終クールに突入する。実戦も増え、選手たちの目つきも鋭さを増してきた。“マーさん”も順調にいけば、24日ロッテ戦(沖縄セルラー那覇)で先発する見込み。史上4人目となる日米通算200勝の大記録へ-。これまでの道のりや苦悩は分からない。それでも、残り3勝までの過程をしっかりと見届けていきたい。

◆巨人田中将としての主な歩み

24年12月25日 都内のホテルで入団会見に臨んだ。背番号は「11」に決定。「競争は激しいと思いますけれども、自分自身まだまだできるんだという証明をしたい」と力強く宣言した。

1月24日 ジャイアンツ球場で自主トレを公開。練習の合間には、内海投手コーチや井上らとあいさつも交わし「新鮮な気持ちですね」。巨人のマー君としてのスタートを切った。

1月27日 13年WBC日本代表合宿以来、約12年ぶりに宮崎入り。

1月28日 1軍合同自主トレ初日に参加。ウオーミングアップ中には、小学生時代に「昆陽里タイガース」で一緒にプレーした幼なじみの坂本と話す場面も。練習の合間には、戸郷と約15分間の野球談議。早速、後輩に自身の経験を伝授した。

1月29日 宮崎に入ってから初めてとなるブルペン投球を実施。山瀬とバッテリーを組み、46球。「できるだけバランスを意識して。思ったよりしっかり投げられました」と好感触を示した。

1月31日 宮崎神宮を参拝。参道では坂本と並んで歩き、自身の健康とチームの日本一を祈願した。

2月1日 キャンプイン当日。10時22分に巨人のユニホーム姿を初披露した。久保コーチから約1時間の熱血指導を受け「疲れました」と苦笑いも、充実した表情で初日の練習を終えた。

2月3日 投手陣の中では一番乗りでキャッチボールを開始。その後、今キャンプでは初となるブルペン投球を実施した。立ち投げの捕手に8球、片膝立ちの捕手に28球の計36球を投げ込んだ。

2月4日 練習後の夜に「投手会」に参加。選手、コーチらと笑顔で集合写真に納まる姿を自身のインスタグラムで公開した。「コーチたちのお心遣いをすごく感じて。そこはすごく自分としてはありがたい」と感謝した。

2月6日 今キャンプで初めて座った捕手相手へのブルペン投球を実施。43球を投じ「ちょっとずつですよ。感覚は変わらずいい感じでやれてます」と話した。

2月9日 今キャンプのブルペンでは初めて変化球を解禁。カーブとスプリットの2球種を試投し、感覚を確かめた。

2月12日 今キャンプで初めて、防具をつけた捕手相手へのブルペン投球を実施。全ての球種を投じるなど、本格投球を披露し「上々だったと思います」と手応えを口にした。

2月13日 宮崎キャンプを打ち上げた。久保コーチと二人三脚で取り組んできたフォーム改造の日々について「充実した日々を送れました。ボールを投げる数は多かったですけど、そこは自分でも必要だと思うからやりました」と振り返った。

2月17日 今キャンプ初となる実戦形式のライブBPに登板。打者8人との対戦で被安打2、1奪三振、1四球だった。23年3月24日のオープン戦以来、2年ぶりに幼なじみの坂本との直接対決も実現。遊ゴロと四球で1打数無安打に抑えた。

取材後記 田中将の表情が日に日に柔らかくなっている。宮崎キャンプ中は、同じくS班だったバルドナードやマルティネスらと談笑。ある日の練習前の円陣では、11歳年下の大勢から「マーくん、神の子、不思議な子」とイジられても笑顔を見せていた。“マーさん”なりの距離の詰め方で、新たなチームメートとも打ち解けつつある。

報道陣に対しても気配りを忘れない。「みなさん集まっているようだったら、今で良かったら話しますよ」と自ら切り出し、取材の場を提供してくれることもしばしば。想定外の質問が飛んだ際も「(聞かないで)飲み込んだ方がいいっすよ。いいタイミングで聞いてください」などと笑って場を和ませつつ、質問にも答えてくれる。

キャンプ期間中は「着実に」「コツコツと」「1つ1つ」。復活に向けて、決して焦らずに調整を進める姿と言葉が印象的だ。キャリア初の未勝利に終わった昨季からの巻き返しへ。“マーさん”のピッチングが楽しみでならない。【巨人担当=水谷京裕】

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