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【グレンデール(米アリゾナ州)17日(日本時間18日)=四竈衛】ドジャース山本由伸投手(26)と佐々木朗希投手(23)が、今キャンプで初めて同時にブルペン入りし、投球練習を行った。2人が並んで投げるのは、23年のWBC準決勝に臨む直前の全体練習以来。すでに3月18日に行われる東京シリーズでの開幕投手に決定している山本と、第2戦での登板が有力視される佐々木が、順調に調整ペースを上げてきた。
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背番号「18」と「11」が並んで投げ始めると、ネット越しに詰めかけたファンから歓声が上がった。先に投げ始めた佐々木に対し、山本が遅れて入ったため、同時投球はわずか数球だったが、ともに迫力十分。23年3月18日、WBC侍ジャパンがマイアミ入りした後、チーム練習で訪れた大学のブルペンで並んで投げて以来の「競演」が再現された。その際は大谷が見守っていたが、この日はロバーツ監督らド軍首脳陣がズラリ。途中からは先に終わった佐々木が山本の投球を見つめるなど大盛況だった。
プライアー投手コーチが左右の打席に交互に立つ中、山本は実戦登板を前に最終チェックを繰り返した。各球種のサインだけでなく、両角、高低も指定。時折、データを確認しながら、力強く42球を投げ込んだ。同監督は「山本は去年より早く仕上がっている。投げるたびに制球も良くなっている」と、開幕戦を託す快速右腕の快調な仕上がりに満足そうだった。
今キャンプ3回目のブルペン投球となった佐々木は、速球、スプリット、スライダーを23球。初体験となる「ピッチクロック」の不安を感じさせない、軽快なテンポで各球種を投げ分けた。ロバーツ監督は「確かに、彼は若いが、投げるたびにより心地よさそうに見える。次は打者と対戦し、(その後)オープン戦に進むことになるだろう」と、今後の見通しを明かした。
2年前の「競演」後は、準決勝(メキシコ戦)で佐々木が先発し、山本が2番手で登板。劇的なサヨナラ勝ちで決勝へコマを進めた。その2人が、今季のド軍では、山本が開幕投手、佐々木は第2戦での最有力候補と、不思議な縁でつながった。今後は、20日に山本がオープン戦初戦、佐々木はライブBPに登板する見込み。「投手大谷」の日程次第だが、ひょっとすると、いつの日か、侍トリオのブルペンでの「競演」が実現するかもしれない。