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絶対的守護神が、新たな段階に入った。楽天則本昂大投手(34)が15日、1軍の沖縄・金武キャンプに合流。第4クール初日のブルペンで直球のみ35球を投げ込んだ。昨季、先発から抑え転向1年目で32セーブを挙げてセーブ王に輝いた右腕は、昨年10月に右足首を手術。キャンプは2軍スタートとなったものの、精力的な投げ込みで手術の影響を感じさせず、実戦登板に向けて順調に調整を進めている。
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1軍キャンプに合流した則本が、育成捕手の水上と力強くグータッチを交わした。ブルペンで直球のみ35球を投げ、状態を確認。「(手応えは)悪くはないですけど、もうちょっと上げていかないとなっていうのはある。ここからこの金武にいるまでに、ある程度、自分が納得いくフォームだったり、球を投げられるようにしたい」。2軍では7回ほどブルペンに入り、キャンプ期間中の最速は「146(キロ)ぐらい」。仕上がりは上々だ。
昨年10月に右足首の手術を受けた。「3年間ぐらいずっと気にしながらやっていたところがある」。経過は良好だが「そこで染みついたものを消していく作業がまだある」。理想と現状のギャップを少しずつ埋めていく。
焦らず、前に進む。すでに対外試合がスタート。24日の練習試合ヤクルト戦(浦添)がキャンプ期間最後の実戦となるが、初登板の時期は明確には定めていない。「コーチと相談しながらにはなる。沖縄中に1回投げられたらいいかなぐらいの。投げられなかったとしても別にいいんで。とりあえずは沖縄にいる間までにはバッターに向かってもう1回投げられたらいいかなと思う」と思い描いた。
昨季は54試合に登板し、32セーブで最多セーブのタイトルを獲得した。三木監督の則本に対する信頼は厚く、引き続きクローザーとして起用する方針を示す。
それでも、当の本人は鈴木翔、藤平らとの守護神争いを制し、再びポジションをつかみ取る覚悟だ。「その2人はもちろんそうですけど、他にも中継ぎはいっぱいいいピッチャーがいる。しっかりと監督から『9回は則本』と言ってもらえるように、自信を持って言ってもらえるように実戦で結果を残して開幕を迎えたい」。チーム内競争を勝ち抜き、今季も最終回のマウンドに君臨する。【山田愛斗】