2人しかいない阪神の日本一監督同士が、最後の別れを惜しんだ。岡田彰布オーナー付顧問(67)が5日、脳梗塞のため、3日に91歳で亡くなった吉田義男さん(日刊スポーツ客員評論家)の兵庫県内の自宅を弔問した。永遠の眠りについた吉田さんと1時間対面し、大粒の涙をこぼした。阪神監督として吉田さんは85年、岡田氏は23年に日本一を達成。愛弟子は育ててもらった感謝を込め、恩師を悼んだ。
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◆吉田義男と岡田彰布 吉田監督が2度目の復帰となった85年から87年までの3年間、岡田を中軸に据えた。就任直後の85年には正二塁手の真弓を右翼にコンバートし、一塁や右翼を守っていた岡田を二塁に固定。岡田は35本塁打、101打点で21年ぶりリーグ優勝と球団初の日本一に貢献。ベストナインとダイヤモンドグラブ賞(現ゴールデングラブ賞)を受賞した。第3次吉田政権の98年には、現役を引退してオリックスの2軍助監督兼打撃コーチをしていた教え子の岡田を2軍打撃コーチで阪神に復帰させた。吉田は85年、岡田は23年に阪神監督として日本シリーズを制し、球団で2度しかない日本一に両者とも導いた。阪神での監督通算勝利数は岡田が1位の552勝で、吉田が3位の484勝。両者とも選手と監督の両方の立場から阪神を長年支えてきた。