失速防止へ、阪神村上頌樹投手(26)が新兵器を活用する。
沖縄先乗り合同自主トレの初日、宜野座ブルペンには動作解析用の「マーカーレス・モーション・キャプチャー」が新たに設置された。早速ブルペン入りした村上もカメラに囲まれながら投げ込んだ。
「体の動きとかですね。どういう風に動いていて、今のが悪かったとか良かったとか。また詳しく聞きながらやっていけたら」
ブルペンの3レーンを使用し、計10台のカメラで投球動作を解析。フォームの映像や、骨格の使い方などが目に見える形でデータ化される。好調時と疲労時の体の使い方を分析でき、修正につなげられる狙いだ。村上も投球後にはパソコンを確認していた。
「今の感じと疲れてきた時にどう違うか、そういう違いも見られると思う。少しでも違ったらそれが球に出ると思うし、どこが悪いか見て分かるので」
昨季は8月に調子を落とし、月間防御率4・30。9月にかけて5試合連続で3失点以上を喫するなど、本来の村上らしくない投球が続いた。疲れがたまる夏場も目印があれば、より修正はしやすくなる。「プラスですし、シーズン中でもできるならやっていきたい」と活用する意気込みだ。
ファーム新球場の「日鉄鋼板SGLスタジアム尼崎」にも同様の機器が設置される予定。宜野座ではブルペンの大部分を占めてしまうため、キャンプ本格開始以降は隙間の時間を狙いながらの活用となりそうだ。
初日のブルペン投球はカーブを交えて23球。「いい球がいっていた」と納得顔だ。藤川監督から開幕投手候補としても期待される右腕。最新機器を活用し、よりベストな状態で1年を駆け抜ける。【波部俊之介】