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【解説】イチロー氏の殿堂入り 勤勉な日本人選手への信頼感はさらに揺るぎないものに


イチロー氏が、2025年の米国野球殿堂入りを資格1年目で99.7%の得票率で選ばれた。アジア人として初の快挙である。彼の3089安打という実績が認められ、日本の殿堂投票では92.6%の得票率にとどまったが、米国での評価は非常に高い。チームの監督や選手たちは、イチローの打撃技術に驚嘆し、ホームラン・ダービーでも優勝できると評価されていた。この選出は、彼の卓越した成績だけでなく、彼が示した真摯な姿勢と野球に対する情熱が認められた結果でもある。イチローの殿堂入りにより、米国球界内での日本人選手に対する信頼感がさらに深まった。

イチロー氏(2024年11月撮影)

2025年の米国野球殿堂表彰が21日(日本時間22日)、米ニューヨーク州クーパーズタウンで発表され、メジャー19年間で通算3089安打を放ったイチロー氏(51=マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が、資格1年目で選出された。得票率は99・7%で満票には1票届かなかったが、アジア人初の快挙になった。

 ◇  ◇  ◇

◆解説 日本の殿堂投票でイチローの得票率は92・6%にとどまり、史上初の満票には届かなかった。その一方で、3089安打を積み重ねた米国では、3000本に到達した時点で多くの記者が殿堂入りを確実視するほど、イチローの業績は「スペシャル」の領域に達していた。今回、資格10年目で殿堂入りを果たしたワグナーの1年目の得票率は10・5%。その後、徐々に得票率が上昇し、最終年にようやく選出された。満票にはわずか1票届かなかったものの、イチローが1年目で選出されたことは、殿堂入り選手の中でもそれだけ傑出していた証だった。

デビュー当時、米メディアの中ではパワー不足を指摘する声も聞かれた。だが、その後、全米各地でイチローのフリー打撃を目にした他球団の監督や選手からは、柵越えを連発するその高い技術に驚嘆の声が漏れるようになった。ヤンキースのジョー・トーリ監督(当時)や主将デレク・ジーターらが「ホームラン・ダービーに出れば、間違いなく優勝する」と公言。出場の打診をイチローが辞退したため、実現しなかったものの、その実力と人気、存在感は米球界でも飛び抜けていた。

文句なしの成績だけではない。イチローの野球に取り組む姿勢も、周囲には広く知られるようになった。毎日、変わることのないルーティン。自宅だけでなく、本拠地、キャンプ地にも専用のトレーニング機器を設置し、最善の準備を繰り返した。そんな真摯(しんし)な姿勢が尊敬を集め、若い選手の手本とされるようになった。米球界内に浸透した、勤勉な日本人選手への信頼感は、イチローの殿堂入りで、さらに揺るぎないものとなった。【MLB担当=四竈衛】

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