西武の炭谷銀仁朗捕手(37)は今季、現役最年長捕手として臨む。プロ24年目の中村剛也内野手(41)栗山巧外野手(41)の2人は「真獅子の骨牙コンビ」と呼ばれ、チームの中枢にいる。では他球団でのプレーも経て、古巣でプロ20年目に達したベテラン捕手は一体、獅子の何? 成し遂げたい役割を語った。
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炭谷は中村剛&栗山をずっと追ってきた。「本当に何歳になっても若い時、僕が入寮した時から変わらない2人なので」という。「偉大な方ですけど、やっぱりお兄ちゃん感がすごいですよね」。尊い2つの背中を見つめてきた。
17年に球団ポスターが2人に「真獅子の骨と牙」とキャッチコピーを付けた。以来、骨牙コンビとしてファンに親しまれ、当然、炭谷もそれを知っている。4歳差は絶対に追いつけなくとも、彼らが優にクリアしたプロ20年目まではやって来た。中枢の1人として、もし「獅子の○○」と命名されるなら?
炭谷は「ちょっと待ってくださいね」と笑い、スマートフォンをいじった。30秒ほど。「おぉ、いいね、いいね」。“お兄ちゃん”たちに恐縮せず、乗り気なのも西武の空気感だ。
「僕、しっぽ。しっぽがいい」
そのココロは。
「ライオンの身体の役割を調べたんですよ。そうしたら、しっぽって走ったり、バランスを整えるためのもの、ってなってて」
40代の骨牙に、30代前半の源田&外崎。炭谷はその中間世代にあたる。
「(間が)だいぶ空いちゃってますよね。僕のキャラも生かしながら、みんながいい意味でやりやすいように。なれ合いはだめですけど、いろんなことをやれるように」
世間を騒がせた源田もあえて率先していじって受け入れて、新年早々さっそく「獅子の尾」ぶりを発揮。骨と牙と、銀のしっぽ。強いライオンのバランサーになる。【金子真仁】