「岡林塾」入門で左翼レギュラー固め! 阪神前川右京外野手(21)が17日、地元の三重・津市内で同郷の先輩、中日岡林、西武村田との自主トレを公開した。昨季は116試合出場で打率2割6分9厘と飛躍したが、途中交代も多く規定打席には届かなかった。合同自主トレでは岡林から外野守備向上への3カ条も伝授された。25年は過去にブレークした選手も多い高卒4年目。一気に主力級へ成長を遂げたいところだ。
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三重は曇り空。寒風吹きすさぶ中、前川は無我夢中で前後左右に白球を追い続けた。午前11時。トス打撃やフリー打撃を終えると、休憩を挟んで左翼へ。中日岡林とともに約45分間のノックで体をいじめた。時折、師匠から熱心な指導が入る。いつの間にか全身からは湯気がたっていた。
「守備でピッチャーに迷惑をかけることがあったので悔しい。成長してうまくならないといけない」
課題克服へ、3年連続ゴールデングラブ賞の名手との合同自主トレを決めた。同郷の岡林は菰野高時代、同学年で津田学園高にいた前川の兄と三重大会を戦っていた。昨年12月にテレビ番組「超プロ野球 ULTRA」で共演した際、意気投合してタッグ結成が決定。今は守備に重点を置いて自主トレを続けている。
名手からは守備力向上への3カ条を伝授された。前川いわく「タイミングの合わせ方、無駄なく動くこと、楽して捕らないこと」の3つ。「本当にありがたい期間。経験値も実力も全然違うので、聞く耳を立ててやったら絶対にうまくなる」と早くも手応え十分だ。昨季は守備力の影響で途中交代するケースも少なくなかった。「いかに体力も技術もつけて戦っていくかが大事」。左翼レギュラー固めへ、準備に余念がない。
もちろん、「打つことは絶対条件」と打撃面もおろそかにはしない。「昨年は置きにいったバッティングも多々あった」。長打力向上へ、現在の体重はシーズン中から3~4キロ増加した91キロ。22年リーグ最多安打の岡林について「(打席で)無心と言っていた。立ち姿がきれい」と感嘆し、背中を追う。打撃スタイルを大幅に変更する予定はないというが「経験談や考え方など細かいことを聞いている」と目を輝かせる。
高卒4年目といえば、岡林がリーグ史上最年少で全試合フルイニング出場を達成した年。智弁学園先輩の巨人岡本は打率3割、30本塁打、100打点以上を達成し、ヤクルト山田ら主力の座をつかむ選手も多いタイミングだ。「行けそうというより、行かないといけない。昨年以上に今年は大事だと思っている」。若手のホープから主力へ。プランは明確だ。【塚本光】