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【野球殿堂】岩瀬仁紀氏「最初に肩を作る時に投げるのは、どんな時も17球だけ」/こんな人


中日ドラゴンズの元投手、岩瀬仁紀氏がプレーヤー部門で野球殿堂入りを果たした。彼はNPBで史上初の1002試合登板を達成したことで知られている。岩瀬氏には独自のブルペンルーティーンがあり、彼は17球で肩を作っていたという。この数字に至るまでには、疲労を残さないために試行錯誤を重ねた。岩瀬氏は飲酒できない体質であったが、ストイックな性格と強靭な肉体により、中継ぎ投手としての任務を全うした。彼の1000試合以上の登板は、簡単に達成できるものではなく、その記録の偉大さが今改めて認識されている。

野球殿堂入り通知式でスピーチする岩瀬氏(撮影・垰建太)

中日の投手として、NPB前人未到の1002試合登板を成し遂げた岩瀬仁紀氏(50)が16日、プレーヤー部門で殿堂入りを果たした。

   ◇   ◇   ◇

竜の絶対的守護神にはマウンドに立つまでにいくつもの決まり事があった。その1つがブルペンでの球数。私の取材していた頃のブルペン捕手から「最初に肩を作る時に投げるのは、どんな時も17球だけ」と聞いたことがある。コース、球種すべて順番も決まっていた。

毎日のようにマウンドに上がることを想定してブルペンに入る。だが、疲れを残さないためにも球数を増やすわけにはいかない。プロで中継ぎ、抑えを経験するなかで試行錯誤した結果、「17」という数字に行き着いたのだろう。

入団当時に投手コーチだった山田久志氏(76=日刊スポーツ評論家)が「酒が翌日に影響することはない」とお酒を受けつけない体質だった岩瀬氏を中継ぎに任命したのは有名な話だ。ただ、そこは強靱(きょうじん)な肉体に加え、日々の努力を惜しまないストイックな性格も加味しての判断だったのではないだろうか。

駆け出しの記者だった頃に「前人未到」というフレーズを当たり前のように使っていた。1000試合登板といえば単純に計算しても50試合登板を20年間続ける数字。今になってどれほど果てしない記録なのか少しは理解できる。まさに中日黄金期の象徴だった。【09~15年中日担当・桝井聡】

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