“流浪のドラ1”がまたも迷子になった。日本ハムのドラフト1位、柴田獅子投手(18=福岡大大濠)が15日、千葉・鎌ケ谷の2軍施設で新人合同自主トレに参加。
14日の休日に、自転車で鎌ケ谷市内に買い物に出かけたが、帰り道に迷い「マップも見ずに適当に行ったら、どこか分からなくなった。だんだん高いビルが出てきて」と、通常片道10分のところを50分迷走し、寮にたどり着いた。
行動範囲を広げるため10日に自転車を購入。2度目の休日となった14日、“愛車”に乗って、さっそうと出かけた。帰り道は「ちょっと違うところに行ってみたい」と、育成2位の渋谷を巻き込み、知らない路地を攻めた。通常の5倍の時間をかけたが「いいロードワークになりました」と前向きだ。「T字シェーバーとハンガーも買えて、生活に必要なものがそろった。私服は持ってきていない。野球に集中です」。プロで戦う環境が整った。
自身の性格について「冒険が好き」と言う。6日の入寮では羽田空港内で30分迷子になり、最終的にはタクシーで1万7000円かけ直接、鎌ケ谷の選手寮に乗りつけた。最速149キロ、高校通算19発と投打双方の才能を秘める18歳は「ピッチャーとバッターどっちもやる。まだ誰も正解とか分からない。自分の答えを見つけ出しながらやりたい」。安易に“二刀流”の言葉は使わない。迷子も楽しみながら、自分だけの未知なる道を、切り開いていく。【永野高輔】