新潟からプロの世界へ-。新発田南の最速141キロ左腕、小林佑投手(3年)が今春から新潟医療福祉大に進む。同校25年ぶりとなる4強に輝いた昨夏は全5試合に登板し、44回を1人で投げ抜いた鉄腕。地元大学でさらに研さんを積み、「リーグ優勝」と「プロ野球選手」への道を歩んでいく。
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淡々としていながらも、小林の表情は自信に満ちていた。新潟市北区で育ってきた左腕が、この春から同じ新潟市北区にグラウンドを置く医福大に進学する。自宅から車で20分ほど。「リーグ優勝に導けるように。そして、4年後にはプロにいきたい」と地元大学で腕を磨く。
ターニングポイントは、同校25年ぶりに4強入りした昨夏。炎天下のマウンドで戦い続けるエースとして、全5試合44イニング、677球を1人で投げ抜いた。その姿には関係者の間で「県NO・1左腕」との声も。「夏の大会で勝ち上がっていく中で、もっと自分を高めていきたいって思いが強くなって」。憧れでしかなかったプロ野球選手が、今では進路希望調査でも記入するほど、明確な目標に変わった。
マウンドでは表情を変えずに、黙々と投げ続ける。学校生活でも同じで、小柳徳之監督(60)は「学校だと存在感はあまりない」と笑い飛ばすが、潜在能力は抜群。4年間のうちに最速141キロから150キロの大台に乗せることを目指し、変化球も落ちる球を習得して、投球スタイルに幅を増やすつもりだ。「高校野球とは全くレベル違う。球威、球種もそうだし、制球にももっと磨きをかけたい」と上積みを誓った。
目指すべき投手像は「勝てる投手」と極めてシンプルだ。憧れの投手もいない。「打たせても(アウトを)取れるし、三振も奪えることが理想。点は取られたくない」。“自分流”で大学野球を駆け上がる。【大島享也】
◆小林佑(こばやし・ゆう)2006年(平18)6月30日、新潟県新潟市生まれ。葛塚小1年から野球を始める。光晴中では軟式野球部に所属。新発田南高では1年夏からベンチ入りし、同秋からエース。3年夏は同校25年ぶりとなる4強入り。好きなプロ野球チームは巨人。185センチ、81キロ。左投げ左打ち。