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【ドラフト連載】日本生命・谷脇弘起、右打者への内角球つかんだ 打者役51歳コーチに投球直撃も


立命大時代に関西学生野球連盟で無安打無得点の試合を成し遂げながらも、プロ野球ドラフト指名を逃した谷脇弘起投手。しかし、その経験を糧に日本生命での社会人野球で成長を続けています。U23日本代表として国際試合に出場し、打ち込まれた経験から、球速やコースの重要性を学びました。現在は、直球と縦に落ちるスライダーを駆使し、右打者のコース取りを強化中。また、約50センチの落差があるフォークボールを習得し、チームへの貢献を重視した投球スタイルを目指しています。「七転八起」のスピリットで、新たな挑戦にも力を尽くす姿勢を示しています。

日本生命・谷脇弘起(2024年7月撮影)

<社会人編>

ドラフト候補紹介企画の最終回は社会人編。大学時代にドラフト会議で指名漏れを経験した、日本通運の冨士隼斗投手(22=平成国際大)と日本生命の谷脇弘起投手(23=立命大)は、悔しさを糧に進化を続ける。

   ◇   ◇   ◇

悔しさから立ち上がった。立命大のエースだった谷脇は23年秋のリーグ戦では同大との1回戦で関西学生連盟史上31人目32度目となる無安打無得点試合を達成。ドラフト注目の選手となったが、プロ志望届提出も吉報は届かず。社会人野球の名門・日本生命の門をたたいた。

国際試合の舞台がさらなる成長のきっかけになった。U23日本代表の一員として昨秋に中国で行われたW杯に出場。開幕試合のプエルトリコ戦で4回7安打4失点と打ち込まれた。打ち損じが内野手の頭上を越える。経験のないパワーに圧倒された。

「連続で同じ球は投げられない。緩急のあるカーブを使えば、抑えられたかもしれない。社会人もスピードボールを打つ打者が多い。コースに投げて、やっと打たれない球になる」

理想の球は、打者が踏み込むのをためらうボール。自身の「生命線」の直球と縦に近いスライダーは、右打者のインコースに投げれば、軌道は重なる。社会人1年目の昨季はインコースへの投球練習を繰り返した。打者役の辻太一投手コーチ(51)の腰付近に投球が直撃しながらも、苦戦を重ねてこの冬につかんだという。

新たに140キロ台で約50センチの落差を生むフォークも習得。「チームの結果を優先した投球がしたい。慎重だと、新しいことには踏み込めない。今以上に力を出さないと」。グラブに刻む「七転八起」のごとく、経験をもとに何度も立ち上がる。【中島麗】

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