starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

【悼む】「清武の乱」裁判6時間の修羅場制した なりふり構わず読売巨人軍を守った渡辺恒雄氏


第6戦の日本シリーズでは渡辺恒雄元オーナーのユニークな一面が見受けられ、特に6年前に亡くなった星野仙一との対話で表面化しました。星野氏が巨人監督になる際、外様の監督起用について渡辺氏が頭を下げる姿勢を見せたことに、星野氏は喜びを隠せませんでした。しかし、2014年の東京地裁での証人尋問では、渡辺氏の厳格な一面が再び浮き彫りに。証言では、球団代表兼GMの清武英利氏の解任を巡る訴訟で、「意図的に録音された」として清武氏について非難しました。彼の弁解は、巨人軍を守るための一線を引く姿勢が感じられ、6時間続いた法廷での緊張感溢れるやり取りが印象的でした。

日本シリーズ第6戦 巨人対ダイエーで、ご機嫌の渡辺恒雄・巨人オーナー(2000年10月撮影)

<悼む>

「あのナベツネさんが頭を下げに来たんだ。『勝った』と思ったよ。ドラフトでオレを取ると言った巨人が、だ。初めて外様を監督にすると」

6年前に死去した星野仙一さんは何度も口にし、喜びを隠さなかった。

旧ホテルオークラ地下1階「山里」。記者の群れから逃げない渡辺さんは、平日の毎晩、思うままに語った。大所から、赤ら顔で語る好々爺(や)…記者の「ナベツネ像」は固まっていて、心底うれしそうな星野さんを不思議に思った。

14年6月5日、印象は一変した。東京地裁706号室の証言台に、88歳になったばかりの渡辺さんが立った。

コーチ人事を巡って、球団代表兼GMの清武英利氏を解任。いわゆる「清武の乱」はこじれて訴訟となり、証人尋問が行われた。

開廷から1時間30分、名前を呼ばれるとお茶をグッと飲み、立ち上がった。愛用のつえを勧める周囲を手で強く制して歩き、深々と証人台に腰かけ声を張らせた。

「彼が、意図的に電話の内容を録音していた。猫なで声で『ありがとうございます』と2回、言っている。引っかけ、二重人格でないか、という疑いを持たざるを得ない!」

争点となったコーチ人事の解釈については、相手を指さしながら「その時、その時の戦況など(自分が)総合的に勘案し決める。重要事項として取り扱うことがある」と断じた。

背筋を伸ばし、メモを取り続けた6時間。迫力で修羅場を制し、なりふり構わず読売巨人軍を守ろうとした。星野さんは、禅譲されかけた物の価値をよく分かっていた。【06~09年、12~15年巨人担当 宮下敬至】

    Loading...
    アクセスランキング
    game_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2024
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.