上沢さん、かかってこい!。日本ハム伊藤大海投手(27)が17日、ソフトバンク入りが決まった元日本ハム上沢直之投手(30=レッドソックス傘下3AウースターFA)と、自身が先発指名されている来年4月1日の本拠地での来季開幕戦となるソフトバンク戦での直接対決を熱望した。昨季まで3シーズン、投手としての立ち振る舞いやメンタル面を学んだ先輩とガチンコ勝負し、力でねじ伏せる。
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“お兄ちゃん”に挑戦状をたたきつけた。上沢のソフトバンク入り決定に、エスコンフィールドで自主トレをしていた伊藤は、早くも気持ちを高ぶらせた。「僕のホーム開幕戦に来るんじゃないですか? 志願してでも来るんだろうなと、僕は思っていますね。それぐらいはしてくれないと、ファイターズファンも納得いかないかなと」。自身初の本拠開幕戦での真っ向勝負を待望した。
21年から3シーズン、ともに先発投手陣として過ごしてきた。「優しいお兄ちゃん的な先輩。1年目から、移動するときは野球の話、終わったときも野球の話」。昨季はリーグ最多170イニングを投げたタフネス右腕。立ち振る舞いから「切り替えがすごく上手。プレー中、顔に出ない。ゲーム中の割り切り。長いイニングを投げられるっていうのは、そういうのは大事になってくるので、それがすごく勉強になってました」と振り返った。
上沢が米移籍した今季は、自身がキャリアハイの176回1/3を投げ、14勝。投手陣をけん引し、最多勝、最高勝率の投手2冠に輝いた。その大きな力となったのが上沢イズムだった。「今季になって上沢さんみたいに割り切りができるようになりました。抑えても次があるという感じで。やっと、自分の中でも余裕が持てるようにはなりました」。常に淡々と投げ抜く先輩のメンタリティーを受け継いだ成果だった。
9月には、帰国した上沢とエスコンフィールドで再会。「(米国で)本当に大変だったみたいで。元気はなかったですね。周りからはいろいろ言われることもあると思いますけど、1選手としても人間としても好き。そこはプレーで見せていくしか無いところだと思う。個人的にはすごく対戦を愉しみにしています」。全力で倒しにいくことこそが恩返しだと、信じている。【永野高輔】