あの時のように、再びはい上がる-。DeNA佐野恵太外野手(30)が16日、横浜市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、3年契約で出来高払いを含む総額6億円でサインした。今季取得した国内FA権に注目が集まったが、権利を行使せず、残留を決断。「あまり悩むこともなく、行使するという選択肢はなかった」と横浜愛を語ったが、来季への目標を聞かれると、不退転の覚悟を示した。
「数字を具体的にというよりかはレギュラー争い、レギュラーをつかむっていうところをしっかりと考えて、その後に数字がついてくればいいなと思います」
複数年契約を結びながら、佐野の口から出たのはレギュラー奪取への思いだった。今季は139試合に出場し、打率2割7分3厘、8本塁打、62打点。CSでは勝負強さを発揮したが、日本シリーズでは第5戦からスタメンを外れた。「日本一になったので、うれしい気持ちがもちろん大きいですけど、それと同じぐらい、スタメン落ちした悔しさは持っています」と冷静に胸の内を語った。
チームでは最も下位指名から、バット1本でレギュラーを奪取し、20年に首位打者、22年には最多安打のタイトルを獲得した。「現状維持だと厳しい世界だと思って、ここまでやってきましたし、もっともっとうまくなりたいという向上心を持って、今は過ごしてます」。筒香、梶原、桑原、度会、蝦名ら12球団でもトップレベルの外野のレギュラー争いに向け、地元の岡山・倉敷の自主トレから勝負が始まる。【久保賢吾】