<データで見る2024ペナント・中日(セ6位・60勝75敗8分)>
プロ野球の快記録や珍しい記録からシーズンを振り返る連載「データで見る24年」をスタートします。全13回で、プロ野球を球団別に12回、最終回は日本人大リーガーを記録から分析します。第2回は中日。
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中日高橋宏斗の本塁打を打たせない投球が光った。今季の被本塁打は9月10日ヤクルト戦の4回、村上に許した1本だけ。村上は今季対戦した延べ510人目の打者で、シーズン初登板から被本塁打0を129回2/3続けた。2リーグ制後、開幕からの被本塁打0記録としては、57年若生(西鉄)の163回1/3、54年宅和(南海)の131回2/3に次いで3位となった。
1リーグ時代には規定投球回に到達して被本塁打0が延べ36人いたが、2リーグ制後は56年稲尾(西鉄)ら3人の2本を下回り、高橋宏の1本が最少記録。9イニングで打たれた本数を示す被本塁打率は0・06で、こちらも56年稲尾の0・07を抜く新記録だ。
村上の1発はソロで、走者を置いて本塁打を打たせなかった。1発だけでなく、高橋宏はピンチで長打を許さない。得点圏に走者がいる場面での長打は、8月13日村上(ヤクルト)の二塁打、同27日末包(広島)の二塁打の2本だけ。昨年も長打は26本打たれたが、得点圏では二塁打2本、本塁打1本の合計3本。2リーグ制後に得点圏での長打3本以下(規定投球回以上)を2度記録は69、70年村山(阪神)75、76年中山(南海)21、23年山本(オリックス)23、24年高橋宏の4人しかいない。
今季は防御率も話題となった。1発や得点圏で長打を打たせないことで、大量失点を防いだ。8月終了時点で119回2/3を投げて防御率が0・98。70年村山以来の0点台が期待されたが、最終的には1・38。2リーグ制後の12位、セ・リーグ6位にランクインした。高卒4年目の高橋宏はまだ22歳。22歳以下のシーズンでは、66年堀内(巨人)を抜いてセ・リーグ最高防御率だった。【伊藤友一】