【ホノルル(米ハワイ州)13日(日本時間14日)=只松憲】観光気分は0%。ソフトバンク山川穂高内野手(33)が優勝旅行期間も無休トレーニングを敢行していることを明かした。
弟子のリチャード内野手(25)とオアフ島内で毎日4~5時間の自主トレ。気温30度に迫る常夏ハワイで大量の汗を流している。FA加入した今季は本塁打と打点の2冠に輝き、来季は移籍2年目。貪欲に狙う通算5度目の本塁打王に向けて準備を止めない。
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ビーチに向かう観光客とは真反対に歩を進める。バカンスモードではない。練習モードの山川はキッパリ言った。「ほぼここ(ハワイ)には遊びに来ていないというか。家族は遊びに来ていますけど、僕はその気は全くない」。あくまで「僕の場合は」という前置き。時間の使い方は個人の自由で「練習の虫」と言われる山川なりの判断だった。
スケジュールは「(午前)10時から(午後)2時くらいまで練習。4時間ぶっ通し。4~5時間みっちり動けばそれで補えるかな、くらいです」と一例を明かした。「打つ以外は全部やります。バットもありますし」。弟子のリチャードが持つバットに目を向け、再び表情を引き締めた。「2、3日休むだけで体の反応がおかしいのもあるんですけど、なんせ僕は太る。食事量を落とすことはしたくない。この体をずっとキープし続けるというのはそういうこと」。結果を出すための逆算だった。
自主トレはオアフ島内で行う。常夏ハワイは気温30度に迫る日々で、山川にとってはプラス材料。「暖かいところでやれば芯から熱が出る。汗が出るのでそこはめちゃくちゃいいと思います」。シーズン中もウオーミングアップ中は上着を着用して発汗を促してきた。ルーティンは変わらず、リーグ制覇の優勝旅行も観光気分は0%だ。
西武からFA加入した今季は34本塁打、99打点でリーグ2冠を獲得した。来季は通算5度目の本塁打王獲得に強い意欲を示しており、獲得すれば西鉄・中西太氏、ロッテ、中日などで活躍した落合博満氏らと肩を並べる。「ここで1週間休んだら0になってしまいますから」。25年を見据えた準備を止めることはない。
弟子のリチャードも「結構いじめてもらったので足首が痛いっす」。苦笑いを浮かべながら山川の背中を追って歩を進めた。山川とリチャードは無休で鍛錬を続けていく。