日本プロサッカー選手会(JPFA)が11日、栃木県内でトライアウトを実施した。J2ジェフユナイテッド千葉を契約満了で退団したFW高木俊幸(33)が午後の部に参加した。
東京ヴェルディユースから東京V、清水エスパルス、浦和レッズ、セレッソ大阪と実績を残しており、他クラブからのオファーを待つ手段もあったが「少しでも可能性を広げたいし、自分のプレーを見てもらいたい」とあえてトライアウトに挑んだ。
初めてのトライアウトに「殺伐としてた雰囲気と結構、聞いていたんですけど(笑い)。周りの選手に恵まれていて、一体感があってとても周りに助けられました」と振り返った。
22年から千葉に在籍。今季は11試合で377分の出場にとどまった。契約満了に「自分にとっては妥当。単純に自分の実力不足だった」としながらも「まだまだ自分の中で、体的な部分、持ってるものは出せる部分がある」との手応えも口にする。
若いころは、個人に目を向けることが多かったが、30歳を超え「チームのため」への意識が強くなった。千葉では「チームのJ1昇格」を第一に考えて行動していた。「周囲の選手とのつながり、プレー以外の部分も考えたりすることで、周りからも信頼してもらえるような気持ちになった」。メンタル面でも大きく成長した。だからこそ、新天地ではカテゴリーは問わず「やりがい」を重視するつもりだ。
父は元プロ野球選手の高木豊氏。高木は33歳、次男の善朗(32)はJ1のアルビレックス新潟でプレーし、三男の大輔(29)はJ3琉球でプレーする。3兄弟全員がプロになることも珍しいが、競争の厳しい世界で3人が30代まで現役でいることも希有(けう)な存在。高木は「運とかそういうのもありますし。でも、3人ともプロに押し上げたおやじは、すごかったのかな。小学生のころからプロとしてのメンタルを教えてもらいましたから」としみじみと語っていた。【岩田千代巳】