セレッソ大阪が保有権を持ち、現在サガン鳥栖に期限付き移籍中の元日本代表MF清武弘嗣(35)が、来季は16年ぶりに古巣のJ2大分トリニータに完全移籍で電撃復帰することが3日、分かった。近く正式発表される。
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C大阪は来季、クラブ初のオーストラリア人、アーサー・パパス氏(44)の監督就任が決定的。今季で退団する小菊監督に続き、ハイプレスハイラインの強度の高いプレーが継承されるとみられる。
クラブは計10年にわたってタイトル獲得などに貢献してきた清武の実績をリスペクトしつつ、今季で契約満了の結論に至った。23年はわずか2試合の出場に終わり、24年は複数年契約が当然だった清武でさえ1年契約に変更。総合的に考えても本人が一番、この日が来ることを予期していたはずだ。
清武が長年、残した功績は称賛されるべきだ。昨年まで主将を5年連続で務め、心身とも120%の力を求められた。焦って復帰してはけがを再発。それでも来季の新主将候補、パリ五輪代表DF西尾は「選手、人として学ぶことはたくさんあった。初めて尊敬できる人がキヨ君だった」と話したことがある。後輩に与えた影響は大きい。
かつて1億円を超えていた推定年俸は、近年は下がり、大分では3000万円以下が予想される。23年の人件費を比べれば、大分は約8億円でC大阪は約20億円。初のJ2だが清武が活躍することで、商品価値をよりアピールできる舞台になるはずだ。【横田和幸】
◆故障に泣かされた近年の清武 22年3月は両脚のハムストリング(太もも裏)筋損傷で全治3~4週間と診断された。同年6月には、左足リスフラン靱帯(じんたい)損傷。試合中に左足首付近を激しくひねり、長期離脱へ。23年も2月に左太もも裏を負傷し、復帰即再発させ、手術を受けるという悪循環。22年までは毎年、20~30試合前後に出場してきた大黒柱が先発の座を失う形となった。