井端弘和監督(49)率いる侍ジャパンが、ガチンコロードでWBCまで駆け抜ける。30日、愛媛・松山での大学日本代表候補合宿を視察した。26年3月のWBCまでちょうど1年前となる来年3月、オランダ代表との強化試合2試合を予定。そこでの現役大学生の選出について「考えていくと現実的ではない」と招集しない方針を示した。12月と来年1月に行われるスタッフ会議を経て、国内のプロ野球でプレーする選手の中からメンバー選考を進める。
今年3月の欧州代表戦ではドラ1カルテットを招集した。明大・宗山、青学大・西川、関大・金丸、愛知工大・中村の4選手が侍の一員として出場し、ポテンシャルの高さを発揮。実際に今秋のドラフト会議で4選手とも1位指名を受けた。今合宿にも多くの“原石”が参加しており、同監督も「全員に可能性はある。将来が楽しみな選手も入っている」と飛躍を期待。一方で、順当にプロ入りしても1年目の3月にWBCメンバーに入ることは非現実的で、今回の招集は見送られる。
再スタートを期す侍ジャパンにとって国内メンバーを幅広く招集する機会は、来年、3月と11月にも予定される強化試合の実質計4試合に限られている。投手となれば連投を避け、最大でも2登板。野手でもフル出場は考えにくく打席数も限定的になる。すべてはWBCを見据えた本番を想定した実戦の場。11月のプレミア12メンバーの疲労などを考慮しながら、最後の1年を迎える。【栗田成芳】
○…井端監督が大学候補合宿に参加した選手を激励した。来年日本開催の日米大学野球に向けてスタート。初日の冒頭、円陣で「大げさではなく、ここにいるみんなが今後の野球界、プロ野球を支えていく選手だと思っています。日々、精進してこれからも頑張ってください」と、ハッパを掛けた。25年ドラフト会議でプロ注目の東北福祉大・堀越啓太投手(3年)や、創価大・立石正広内野手(3年)らを奮い立たせた。