<明治安田J1:町田1-0京都>◇30日◇第37節◇Gスタ
史上初のJ1初昇格1年目の優勝へ、FC町田ゼルビアが生き残った。
ホーム最終戦の京都戦を、町田らしい「ウノゼロ(1-0勝利)」で制した。勝つしか望みがなかった中、誰もが体を張った。前半終了間際には、警戒していたFWラファエル・エリアスにカウンターを許したが、DF昌子が決死のスライディングを決めてフリーで打たせなかった。先取点がカギとなる展開で勝負の肝となるプレーだった。
均衡を破ったのはFW相馬だった。攻めながらもどかしい時間が続いた中、後半22分に左からドリブルで持ち込み中へクロスを送ると、並走した相手選手の足に当たってのディフレクションシュートとなった。浮いたボールは懸命に伸ばしたGKの手に触れながらゴールイン。記録はオウンゴールだったが「虎視眈々(たんたん)と仕留めようと狙っていて、最後にいい結果が出た」と喜んだ。
黒田監督は「ゼロでいったからこそ、あのゴールが生まれた。魂のゴール」。首位神戸とは勝ち点3差だが、得失点差は同じ22点で並ぶ。そして最終節の相手は今季ホームで無敗を誇る鹿島。古巣と向き合う昌子は「2戦連続無失点と、いろいろな上向きな要素が出ている。いい準備をしたい」。奇跡を信じ、北北東に進路を取る。【佐藤隆志】