<明治安田J1:東京V4-5川崎F>◇第37節◇30日◇味スタ
川崎フロンターレが敵地で東京ヴェルディ戦との激しい打ち合いを5-4で制し、11位に浮上した。FW山田新(24)がハットトリックを含む全5得点に絡む大活躍をみせた。「2点取った時点で3点取らないとダメだと思っていたので、まあ3点取らなくても勝てる試合ができたと思いますけど、難しく自分たちでしてしまって、その中で自分が勝たせられてよかったなと思います」と振り返った。
前半22分までに山田が2得点を奪ったが、同42分に失点し、1点リードで折り返した。
後半4分に追いつかれるも、同12分に山田のアシストからDFファンウェルメスケルケン際(30)が決めて勝ち越し。同20分には、山田のシュートのこぼれ球をMFマルシーニョ(29)が詰めてリードを広げた。
しかしここから相手に粘られる。同26分、33分に立て続けに失点し、再び追いつかれた。引き分けが濃厚となった試合終了間際にエース山田が大仕事をやってのけた。追加タイム4分、途中出場のFWエリソン(25)の競り勝ったボールに山田がいち早く反応し、左足でゴールネットを揺らし、ハットトリックを達成。今季19点目となる決勝点でチームを劇的勝利に導いた。
FWのライバルでもあるエリソンから試合前に「3点とれ」と発破を掛けられたという。その言葉通りに3ゴール。「チームはすごく一体感あります」と雰囲気の良さを口にした。
激しいポジション争いの中で、メンタル、フィジカル両面の進化を実感している。「これだけ得点が動く中で、自分がしっかり得点というところを意識して90分間やれたのは、いろんな今年経験できてますし、成長は感じるかなと思います」とうなずいた。
今季は大卒2年目ながら、副主将にも就任。責任感も増し、エースの自覚もにじませた。「自分が得点しないと勝てないですし、得点だけではなくて、しっかりパフォーマンス出さないといい試合できないし、自分の責任はやっぱ去年よりも重くなってきて、しっかりそういうのに応え続けられれば」。
チームはアジア・チャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)を含めて今季の公式戦は残り2試合のみ。「スタッフ含めて、選手もそうですし、残り2試合しかできないので、今チームは本当にいい雰囲気で前向いてやれているので、最後しっかり勝っていい気分で終わらせたいなと思います」と充実の表情で締めくくった。【佐藤成】