広島床田寛樹投手(29)が29日、新背番号への思いを語った。この日球団から背番号が28番から19番に変わることが発表された。今季限りで現役を引退した野村祐輔投手(35)の背番号だが、以前から野村本人だけでなく、球団に継承したい思いを伝えてきた。「もう何年も前からです。こんなに早く辞めるとは思ってなかったので…。もし辞めるんだったら、19くださいって。ずっと格好いいなと思っていた」。19という数字ではなく、野村祐輔という投手に憧れていた。
現役時代は多くの助言をもらい、何度も食事をともにした。先代は16年に16勝を挙げて最多勝を獲得するなど、チームの優勝に貢献してきただけに覚悟も新たにする。「まずは背番号を汚さないように。この2年キャリアハイに近い数字は残していますけど、もうひとつふたつ殻を破れてない感じがあったので、いいきっかけになれば。19をもらうからには、野村さんのキャリアハイとかを越さないといけないと思うので、それに少しでも近づけるようにしたい」。自己最多勝利は11勝で、まだ優勝の味を知らない左腕にとって、野村越えが最大の恩返しとなる。
そんな床田の思いに、野村は感謝しながら、エールを送った。「トコ(床田)には先発の柱として、来年以降も継続することも大事だし、そこからもっと成長してもらえれば。頑張ってもらいたいです」。受け継がれた背番号19の物語は、来季以降は床田にとって紡がれる。【前原淳】