<UEFA(欧州)リーグ:Rソシエダード2-0アヤックス>◇28日◇1次リーグ第5節◇レアレ・アレーナ
【サンセバスチャン=高橋智行通信員】レアル・ソシエダード(スペイン)の日本代表MF久保建英(23)が、名門アヤックス(オランダ)戦で1得点1アシストと全2得点に絡み、2-0で勝利した。「神の子」メッシさながらの、4人を手玉に取っての圧巻のゴールに、ホームサポーターはスタンディングオベーションで敬意を表した。チームは1次リーグを2勝1分け2敗の勝ち点7とし、36チーム中16位に浮上した。
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久保劇場にサポーターは飛び跳ねた。スタンドで肩を組みピッチに背を向け歌い飛び跳ねた。平日夜に3万2786人が入ったホーム戦で、スタンドの視線を独占した。後半40分、右サイドからスピードに乗ったドリブルを仕掛けてペナルティーエリアに進入。4人に囲まれながらシュートを放ち、相手にかすめながら今大会初ゴールを決めた。
「監督が前に行け、と言っていたので最後だし行ってみようかなと思って。もうイメージ通り。ちょっと縦に行く振りして中に入って、そこからはシュートを打とうと決めていた。オヤルサバル選手がいい感じの動きしてくれたんで、ちょっと前が空いたんで打って。あとは入って良かった」
欧州リーグでの得点はビジャレアル時代以来4年ぶり。今季公式戦の得点数を4に伸ばした。このゴールだけでなく、先制点も久保が奪ったと言っても過言ではない。後半22分、右サイドをDFアランブルとの連係で崩すとニアサイドまで進入。ファーポストに詰めたバレネチェアに速いボールを送った。触ればゴールという完璧な一本だった。
まるでメッシをほうふつさせるような個人技満載の神業プレーの連続だった。しかも相手のアヤックスは欧州CLで3連覇を含む4度の優勝を誇る名門。直近も16試合無敗と絶好調だった。そんな相手を1人で手玉に取るプレーに、後半42分に交代でベンチに下がる際は会場からスタンディングオベーションを受けた。
攻撃だけでなく前線からの守備も含め、走り続けるのが久保だ。週2回ペースの試合に向けて走れる体作りに励んできた。「過密日程であることに感謝をしたい」と言うほどゲームに飢えている。23歳。欧州で自らの存在価値を知らしめるべく勝負のシーズン。自らに課すのはゴールの数だ。
「数字を貪欲に求めていきたい。サッカーって他のスポーツと違って(試合が)週2で多いって言ってるぐらい。ニュースに載る機会も少ないですし。となると、やっぱり毎週ゴール決めないと、お釣りこないんじゃないかなと思います」
プレー同様、舌の方も切れ味鋭く、滑らかだった。