目指すはホワイト・タイガースだ。阪神選手会が主催するゴルフコンペと納会が28日、兵庫県内で行われた。
来季が選手会長2年目になる中野拓夢内野手(28)は、年齢や立場に関係なく、コミュニケーションをとれるチームにすることを目標に掲げた。
口で言うほど簡単なミッションではない。球界には上下関係など「体育会」の気質が根強く残る。それでも中野は声を上げた。
「藤川監督にも実際に『何かあったら俺のところに直接言ってこい』と言われたことがある。感じたこととかを、監督に言えるときはしっかり言おうと思っている。そうやって選手が言える環境があるだけで、チームがより良くなっていくと思う。上の人たちへの風通しは、すごく大事だなと思っています」
藤川監督の思いに応える形でもある。10月の就任当初からコミュニケーションの重要性を説いてきた。高知・安芸キャンプで、コーチと連日ミーティングを重ねたことが象徴的。「選手とも人と人として話したい」と公言し、若手、ベテラン問わず、自ら近寄って会話を持ちかけた。そんな監督の姿勢は、もちろん選手側もウエルカム。「なれ合い」とは違う。誰もが働きやすい環境にして、チーム全体の力に変えようというホワイト化宣言だ。
選手会はすでにこのオフ、若手も含めた選手たちの意見を吸い上げた上で、球団側と面談を行った。
「プレーするのは選手。やりやすい環境でできるよう、やらないといけない仕事だと思っている。しっかり選手の意見を聞きながら、周りを見ながらやれればいい」
この日、選手会の役員は全員留任が決定した。古きよき文化は残しながらも、時代に即した職場環境を目指す。【柏原誠】