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【プレミア12】台湾、罰金31万円払って先発変更…温存策に侍ジャパン初回から“怒り”の猛攻


第3回WBSCプレミア12のスーパーラウンドで、日本と台湾が対戦しました。この試合では台湾が不明瞭な先発投手の変更を行い、絶対的エースの林昱珉選手を決勝に温存する戦略を見せました。これに対し、主催者WBSCは台湾に罰金を科しましたが、変更を認めました。日本はこの対応をスポーツマンシップに反すると反論し、試合では怒りを込めて初回に4点を奪い勝利しました。試合は27連勝を達成し、日本は決勝での台湾再戦に向けて意気込んでいます。井端監督は「フェアに、良い試合を見せて勝ちたい」とコメントしましたが、台湾側の思惑が絡み合い、異例の事態が続きました。

日本対台湾 試合前、台湾曽監督(手前)とメンバー表交換を行い言葉を交わす井端監督(撮影・垰建太)

<ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12:日本9-6台湾>◇23日◇東京ドーム

侍ジャパンが台湾代表から不可解な温存策を断行された決勝〝前哨戦〟で、不穏な空気を一蹴した。「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」スーパーラウンド第3戦台湾戦を前に両チームの決勝進出が決定すると、試合前に台湾の予告先発変更が発表された。主催するWBSCから科された罰金2000ドル(約31万円)を受け入れ、絶対的エース林昱珉投手(21=ダイヤモンドバックス傘下3A)を決勝に温存した。日本は疑問の声を上げ、初回から“怒り”の猛攻を仕掛け国際試合27連勝。24日の決勝で今大会3度目の台湾戦に臨み、大会2連覇に挑む。

   ◇   ◇   ◇

3回の攻撃直前、井端監督がベンチ前でゲキを飛ばした。不可解な予告先発変更で幕を開けた決勝“前哨戦”。ピッチクロックのカウントダウンも曖昧で、先発早川が違反でボールを宣告された。井端監督は「こっちは準備をいつもより早くということを伝えただけです」と話すにとどめたが、国際大会だからと割り切れないほど、不明瞭なまま試合が始まり、進行した。

試合前練習中、侍ジャパンが対戦する台湾の予告先発が突如変更された。前夜、両チームに向けて発表されていた林から、2試合連続先発となる陳柏清へ。この日の第1試合で米国がベネズエラに勝った時点で、第2試合の日本-台湾戦を前に日本と台湾の決勝進出が決定。台湾は消化試合となったスーパーラウンド第3戦から林を回避させ、決勝で先発させるための露骨な温存策を断行した。極めて異例の事態となった。

事態が動いたのは第1試合の途中だった。米国勝利が、決勝が日本VS台湾となる条件。関係者によると、米国が5点を奪いリードした試合中盤に、変更の申し入れがあったという。一報を受けた日本側は「スポーツマンシップに反する」と反論。主催するWBSCは、台湾に罰金2000ドル(約31万円)を科すことで変更を認めた。また、日本側は同じ左腕投手を先発させるように要請。台湾はいずれも受け入れ、陳の先発が正式に決まった。

露骨な温存策の裏には、明確な理由と思惑があった。林は今季メジャー・ダイヤモンドバックス傘下の3Aでデビューし、先発1試合、4回2/3、4安打1失点。台湾関係者によると、チームの絶対的エースで日本に太刀打ちできる可能性がある唯一の存在だという。さらに所属球団から「連投禁止」の制限がかかっているとみられ、たとえ予告通り先発し打者1人で降板したとしても、決勝での先発は連投になるため登板できない。そのため予告先発変更を断行したという。

消化試合であり、決勝前哨戦となったスーパーラウンド第3戦開始前に巻き起こった異例の“前哨戦”。闘志に火がついた日本は初回に4点を奪うと、食い下がる台湾を退け大会8戦全勝で決勝を迎える。井端監督は「明日が日本のプロ野球ラスト。良いプレー、良い試合を見せて勝ちたい」。あくまでも日本はフェアに。ただ問答無用に蹴散らすだけだ。【栗田成芳】

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