<天皇杯:G大阪0-1神戸>◇23日◇決勝◇国立
昨季まで川崎フロンターレに所属していたヴィッセル神戸FW宮代大聖(24)が決勝点を奪い、「個人2連覇」を成し遂げた。
0-0の後半19分にロングボールを起点にこぼれ球を押し込んだ。「結果は自分が点取れましたけど、チームで取ったゴールかなと思うので素直にうれしいです」と周囲に感謝した。
今季の神戸を象徴するような得点だった。エース大迫から武藤につながり、最後、宮代が締めくくった。昨季大活躍でリーグ制覇に導いた2人に加え「最後の刺客」が躍動。「言葉を選ばずに言うと憧れちゃダメなので。チームメートであり、ライバル」と偉大な先輩をリスペクトしつつ、競争心を成長につなげた。
昨オフ大きな決断を下した。小学時代から育ててもらった川崎Fを離れてリーグ王者へ完全移籍。その選択を正解にするために努力を重ねた。
古巣時代からのチームメートGK新井も「やれることが増えた」とその成長に目を細める。17歳当時からシュート技術の高さは黄金期のチーム内でもピカイチだったという。宮代自身も「どのポジションでも変わらず自分は点取ることでチームに貢献できる」と自負し、その決定力を大舞台で発揮。若き点取り屋の進化がチームを強くした。【佐藤成】
◆宮代大聖(みやしろ・たいせい)2000年(平12)5月26日、東京都生まれ。川崎F下部組織で育ち、18年に高校3年でプロ契約。J2山口や徳島、鳥栖への期限付き移籍を重ね、23年川崎Fで30試合8得点、天皇杯優勝にも貢献。今季完全移籍した神戸でプロ初の2桁得点(ここまで30試合10得点)を達成。J1通算130試合34得点。178センチ、73キロ。