<ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12:侍ジャパン9-1アメリカ>◇21日◇東京ドーム
横綱相撲で米国を蹴散らした。侍ジャパンが「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」スーパーラウンド初戦で、米国に9-1の圧勝劇を披露した。
先発した22歳高橋宏斗投手の奪三振ショーに加え、24歳の小園海斗内野手が2発7打点と爆発。井端弘和監督(49)が若い力を投打で引き出して、国際試合25連勝を果たすと同時に、米国には23年3月WBC決勝以来となる再戦で快勝して4連勝を飾った。最大のライバルから白星を奪い、大会2連覇へ最高のスタートを切った。
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9-1の圧勝劇も、井端監督は最後まで気を抜けなかった。1点を先制されながら、5回に逆転、7回に中押し、8回にダメ押しの展開。最大のライバル・米国に対し、付け入る隙を与えなかった。井端監督は「米国打線は1発がある。そういう中で高橋選手がほぼ完璧に抑えてくれた。結果は9-1だけど、米国打線はどうしてもランナーを置いてホームランを描いてしまうから」。先制被弾の残像が脳裏を離れなかった。
22歳高橋の圧巻の奪三振ショーが試合をつくると、24歳の小園の打棒が止まらなかった。2発含む7打点は「予想していなかった」と井端監督。遊撃だけでなく、二塁と三塁も守れるユーティリティー。守備の人だが積極性も買って今大会2番に置いた。「小園選手のいいところは初球から振れるところ」。物おじせずに、劣勢の展開でも5回に勝ち越し適時打を放つと、一気にチームが勢いに乗れたのも、適材適所に人員を配置した結果だった。
今大会、誰よりも国際大会を知る源田を招集した。前回のプレミア12に続き東京五輪、WBCのすべてで優勝したチーム最年長に対し「すべて勝っている選手。どの選手にも良い影響を与えている」。開幕戦直前の名古屋では、日本シリーズ組が合流し28選手がそろうと「源田会」を開催。全額支払った源田は言う。「チームが1つになるというのは、自分のやるべきことをやっていけば、自然とそういう形になっていくもの。僕からあえて何かを言ったりってことはしなくても、自然と強くなっていく」。戦いながら強くなっていった。
国際試合25連勝、米国には23年WBC決勝以来の再戦で快勝して4連勝を収めた。井端監督は「(前任の)栗山さんだったり、稲葉さんから積み上げてきたものがある。米国は国際試合でも必ず上位に来るチーム。そこは負けずと日本の良さを出して戦っていきたい」。次はベネズエラとの第2戦。26連勝目を狙いにいく。【栗田成芳】
◆米国戦VTR
【19年第2回プレミア12 スーパーラウンド】 3-4で敗北。相手先発が試合開始4時間前に変更され、3回まで無安打に抑えられた。追い上げ及ばず同大会初黒星を喫した。
【21年東京五輪 準々決勝】 7-6の勝利。3点を追う5回、鈴木誠のソロで反撃開始。9回に1点差を追いついた。タイブレークの延長10回は表を栗林が抑え、裏で甲斐がサヨナラ打を放った。
【21年東京五輪 決勝】 2-0の勝利。3回に村上のソロで先制し、8回にも1点追加。先発森下から計5投手でつなぎ、金メダルを獲得した。
【23年WBC 決勝】3-2の勝利。2回表に1点先制されるも、その裏、村上のソロで追いつき、さらに1点勝ち越し。4回には岡本和のソロで加点した。1点差の9回、大谷がDHからマウンドへ。最後はエンゼルスの同僚トラウトを空振り三振で優勝を決めた。