楽天の球団創立20周年特別企画として、人気お笑いコンビのサンドウィッチマン率いるサンド軍団と楽天OBとのスペシャルマッチが17日、楽天モバイルパーク宮城で開催された。
大盛況となった試合を終え、サンドウィッチマン伊達みきお(50)、富澤たけし(50)と山崎武司氏(56)の両チーム主将たちが楽天愛を熱く語った。前監督の今江敏晃氏(41)もサプライズ登場した。
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1万2451人の楽天ファンが当時の名前入りユニホームやタオルを掲げ、20年間の歴史が球場に帰ってきた。山崎氏は「OB陣も同窓会みたいになって非常に良かったんですけど、サンドウィッチマンが盛り上げて、イーグルスを応援してくれるからこそ実現したようなゲームだったと思うので、OBとしても感謝しています」と話した。
サンドウィッチマンの2人はファンとしても試合観戦に訪れる。伊達は「山崎さんにお願いすればこんだけ集まるんですよ」と、松井稼頭央氏(49)や平石洋介氏(44)をはじめとする、そうそうたる顔ぶれに驚いた。「やっぱりうれしかったですね。こっち(サンド軍団)でいうと今江(敏晃)さんや八重樫(幸雄)さんにも来ていただいて、想像以上に楽しかったです。OBのみなさんの顔も笑っていたので…」。一番近くで見ていた山崎氏の目にもその姿は映っていた。「みんな『楽しい、楽しい』って言いながら今日はやっていました」と、久しぶりの東北の地でのプレーに心を躍らせていた。
球団創立から20年。11年の東日本大震災や新型コロナウイルス感染症の拡大など、さまざまなことを乗り越え、このときを迎えた。山崎氏は「あっという間の20年でね。楽天を離れて13年になりますけど、もう20年たって、このご時世いろいろなことがあって、そんな中でイーグルスが東北に根付いたというのは非常に大きいですし、何年もお客さんが応援してくれますし」と、しみじみ語った。
楽天ファンの温かさを改めて肌で感じた。最終回には前監督の今江氏がサンド軍団の代打としてサプライズ登場。この日一番の声援が送られた。山崎氏は「何がうれしかったかって、今江が出てきたときにあの声援をしてくれて。自分のことのように今江前監督に送った拍手、声援というのは大きかったです」。同時に「交流戦で(東北に)帰ってきたときにすごく応援してくれたのでありがたかったですね」と、現役時代の記憶がよみがえった。
大成功となったスペシャルマッチデー。だが、伊達は23日のファン感謝祭の1週間前に行われるこの日に不安を抱いていた。「実はどれくらいのお客さんが集まってくれるか不安だったんですよ。果たして2週連続で(球場に)来る方はどれくらいいるのかって。でも、これだけお客さんが集まってくれて、20年たって、イーグルスファンはついてきてくれたのかなと。僕らはすごくうれしかったですね」と口にした。相方の富澤も「こういうときは僕らが来てもアウェーになるんだなと。あんまり僕らのこと応援してくれなかったので…」と冗談交じりで笑いを誘いながらも「来年も同じような愛で、楽天を応援してほしいですね」と語った。
楽天OBらが積み上げてきた20年間。東北をつくり上げ、その一瞬、一瞬がしっかりと楽天ファンの胸にも刻まれている。それは今も、これからも変わらない。21年目の来年も、全員で新しい物語を記していく。【木村有優】