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【阪神】27歳の豊田寛が秋季キャンプMVP 藤川監督「危機感が結果に表れた」紅白戦は打率6割超え


阪神豊田寛外野手が藤川監督から秋季キャンプのMVPに選ばれた。彼は紅白戦で8打数5安打、打率6割2分5厘を記録し、その結果が彼の危機感ある姿勢を示したと評価された。豊田は日立製作所を経て、3年目の今季にプロ初安打を記録したが、1軍定着にはまだ至っていない。秋季キャンプでは新打撃チーフコーチのアドバイスを受けて改善に努めた。来春には他の外野手とポジション争いを迎える彼は、オフシーズンを通じてさらなる成長を目指している。藤川監督も「年齢が上がった分、彼の成長が重要」とコメント。

打撃練習をする阪神豊田(撮影・藤尾明華)

球児監督、名前覚えてくれましたか? 阪神豊田寛外野手(27)が藤川監督から高知・安芸キャンプのMVPに選出された。3度行われた紅白戦では8打数5安打、打率6割2分5厘と猛アピール。指揮官から「危機感が結果に表れたと言う意味では豊田じゃないですかね」と姿勢も評価され、本人も「そう言ってもらえてうれしい。良い形でアピールできた」と充実感たっぷりだ。

不退転の覚悟で秋季キャンプに挑んでいた。社会人の日立製作所を経て3年目の今季は6月にプロ初安打を記録。だが、11試合で打率2割1分1厘と1軍定着まではいかなかった。「本当に『やらなきゃ終わる』というのは常に自分の中にある」と燃えていた。

10月の秋季練習では小谷野新打撃チーフコーチのアドバイスを積極的に取り入れた。「『シンプルに』と言っていただいて、それが少しずつ良い形になって、結果につながったのかな」。ガツガツと食らいつく姿に、藤川監督も「年齢が少し上ですから危機感からくる成長。特にタイガースの場合、それが重要なんです。苦労して努力してつかんだ選手というのは外さないんですよね」と納得顔だ。

甲子園での秋季練習初日の10月22日。指揮官にあいさつすると「小川!」と間違えられた。この日は「覚えてもらってないという危機感もあったので…そこはなんとかクリアできたかな」と照れ笑いだ。

来春は森下、前川、井上、井坪らとの激しい外野両翼争いに身を置く。「来年も勝負だと思っている。良かったことは継続して、課題はしっかりやって。今よりもレベルアップしていると思ってもらえるように、オフシーズンやっていきたい」。苦労を重ねた27歳。浮かれることなく口元を引き締めた。【村松万里子】

◆豊田寛(とよだ・ひろし)1997年(平9)4月28日生まれ、神奈川県出身。東海大相模では2年夏、3年夏に甲子園出場。3年夏は全5試合に4番出場し、決勝の仙台育英戦は4安打で優勝。国際武道大から日立製作所を経て、21年ドラフト6位で阪神入り。22年4月3日巨人戦に代打で1軍戦初出場。今季6月13日オリックス戦で1軍戦初安打を放った。今季ウエスタン・リーグ90試合出場で打率2割9分4厘、2本塁打、41打点、。178センチ、88キロ。右投げ右打ち。

阪神藤本総合コーチ(今キャンプで目についた選手)「豊田。やっぱり結果だけじゃなくて取り組み方とか。アップからしっかりと声も出していたし。ひとつ殻を破れたかなと思う」

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